2011-01-01から1年間の記事一覧
残念ながらデビュー作「ゲルマニウムの夜」は未見(いつかスクリーンで見たい)なのだが、監督2作目の「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」で大森立嗣の演出っぷりに喜んでしまったのだが、新作「まほろ駅前多田便利軒」でもちゃんとその力量を示してくれた。…
大人気DVD「THE3名様」やTVドラマ「33分探偵」で人気の脚本家福田雄一と「ハンサム・スーツ」を監督して注目を浴びた英勉が組んだ「高校デビュー」は、その原作である漫画のとおり(読んではないけど、テイストとしては)、ちゃんとマンガ映画になっていて、…
「スターウォーズ エピソード1ファントム・メナス」でクワイ=ガン・ジンを演じて以来、すっかりマスター(師匠)役のイメージが強くなったリーアム・ニーソン(「ナルニア」のアスラン王の声もあり)だったが、2009年の「96時間」でアクションも出来ること…
先日、大阪へ出張の機会があり、新幹線での移動の間になんか読む本がないかなと思い、東京駅の駅ナカ本屋で、文藝春秋社の文庫本「円谷英二の言葉 ゴジラとウルトラマンを作った男の173の金言」を買って読んでみた。実は、円谷英二特撮映画の数々に対して、…
メイン・ビジュアルだけを見る限り、いかにもクールでカッコイイ、さらに金髪の可愛い女の子が出てくるという映画に思えて、期待は膨らみますよね。ところがアメリカ公開の批評がまったく良くない。これまで「300」「ウォッチメン」と順調にヒットを飛ばし、…
アンソニー・ホプキンスの「ザ・ライト」は“エクソシストの真実”と副題があるように、しごく真っ当なエクソシスト映画になっていて、もっと胡散臭いと思っていただけに、逆に拍子抜けしてしまったほどだった。しかし、今でこそ誰しも『悪魔憑き』に対して『…
4月20日にポニーキャニオンから(発売元ジェット・リンク)、なんと「カトリーヌ・ドヌーヴDVD-BOX」が発売された。このジェットリンクという会社が正体不明なのであるが、最近はポニーキャニオンを通じて、70年代に想いを寄せる我々に向けて、確実にヒット…
『200年の時を経て今明かされる、名曲誕生の秘められた感動の実話』、この文言は映画「アメイジング・グレイス」の宣伝文句である。もし事前にこれを読んだ観客は、ビジュアルポスターと共に、何を感じて映画を見に行くのだろうか?本田美奈子の歌唱で一般的…
6月4日封切りの通称「もしドラ」、映画「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」が楽しみでしょうがない。話題のベストセラーの映画化とか、原作がどうのではない。久しぶりに正統的アイドル映画が誕生しそうな予感がす…
伝説のガールズ・バンド名をそのまま映画のタイトルにした「ランナウェイズ」は、1975年のL.Aを舞台として始まる。この映画にのめり込めるかどうかは、この時代をリアルタイムで通過しているかどうかで、かなり差が出るのではないだろうか。それだけ、このガ…
一番分かりやすい例はスタンリー・キューブリックだろう。「現金に体を張れ」で注目された頃にはカブリックという日本語表記をされていたろう。しかし、しばらくするとクーブリックという表記が登場、ようやく今ではキューブリックが一般的な呼び方となって…
ロバート・ゼメキス(監督ではないが)の「少年マイロの火星冒険記3D」は、相変わらずのパフォーマンス・キャプチャーで製作されている。監督作品の場合も、そうでない場合も、ここ最近の彼の映画製作は、この俳優の本来の素顔を必要としなくてもよいという…
4月の銀座シネパトスの名画座としての特集上映は松本清張原作映画だった。その中で、あまりお馴染みではない65年の大映作品「花実のない森」を見に行く。自分の中で清張映画といえば松竹なので、大映のそれも若尾文子の主演作は意外の1本で、若尾さんは、ど…
「ハイ・フェデリティ」で見た時のジャック・ブラックは本当に魅力的だった。中古レコード店のオタク店員の役柄はピッタリ当てはまっていて、文句なしの助演賞もの。その路線を拡大した役柄が「スクール・オブ・ロック」の青年役で、音楽好きの本人のテイス…
NHKで放送された壇れい版「八日目の蝉」は見なかった。なんか壇さんのイメージと話の内容の幼児誘拐が、なんだか合わない印象だったのだ。さらに言うと、この手の話はやはり重たく感じてしまって、楽しめないだろうなと敬遠してしまった。しかし、これが映画…
1975年の東映映画脚本、野上龍雄、監督中島貞夫の「暴力金脈」は総会屋の実態を描いた作品だ。現代にも総会屋がいるのかどうか知らないが、少なくとも75年当時は、企業の株主総会を仕切って、大企業から大金をせしめていた裏稼業があったことは事実だ。物語…
アメリカ映画がもっとも好んで描く題材は『家族』である。アカデミー賞を獲得した作品を見てみても、古くは「わが谷は緑なりき」から「サウンド・オブ・ミュージック」や「ゴッドファーザー」「普通の人々」「愛と追憶の日々」「アメリカン・ビューティ」な…
「男たちの挽歌」を崇拝している映画ファンは回りにもかなりいる。その彼らが一場面ごとに熱く語る様には、当時から(若干今でも)香港映画にどうにも馴染めなかった側の人間は、傍観するしかないのだ。しかし、その監督をした(彼らの中では「レッドクリフ…
日本映画は平山秀幸監督の「太平洋の奇跡−フォックスと呼ばれた男」、韓国映画は「私の頭の中の消しゴム」のイ・ジェハン監督の「戦火の中へ」と奇しくも同時期の公開となり、日韓それぞれの戦争映画を見ることが出来た。「太平洋〜」は文字どおり太平洋戦争…
去る2月に開催された2010年度のキネマ旬報ベストテン表彰式の席上、読者賞を受賞された川本三郎さんは、喜びのコメントを述べると共に、「マイ・バック・ページ」に触れ『妻夫木聡さんに似ているって言われるんですよ』と笑顔で語った。その時は、川本さんも…
「ドロップ」でスマッシュ・ヒットを飛ばした品川ヒロシ(祐とどう使い分けているのか分らない)は、作品の原作者であると共に、映画監督としてもデビューした。自らの体験を元に(そうらしい)不良が喧嘩に明け暮れる日々を描いて、若者に共感を呼んだ。実…
エリザベス・テイラー(以下、長いのでリズと書かせてください)の死に対しての報道を詳しくチェックした訳ではないが、どうも映画女優としての認識がちゃんとされてるのかなぁ、と思われるものが少なくなかったように思う。すなわちマイケル・ジャクソンの…
「恋とニュースのつくり方」の主演女優レイチェル・マクアダムスは一般的には、そう名前が知られた女優ではないだろう。2004年の「きみに読む物語」のジーナ・ローランズの若き日を演じた女優さん、と言うとなんとか伝わる程度だ。彼女の名前を知ったのは事…
ちょっと前のキネマ旬報誌上で、もうすぐ還暦を迎えようとしている桃井かおりさんが、スペシャル・インタヴューに答えて、デビューしたての頃の自分の裸(「赤い鳥、逃げた?」かな?ともかくデビュー当初は脱いでばかり)を評して、よくもまぁ裸を見せられ…
日本TVで放送された「スタジオジブリ物語」は面白かった。しかし、あれでは短いとも感じてしまう。それだけこのスタジオはあらゆる側面から語る事が出来る、多面性を持った映像工房なんだろうな、と思った。事前の番宣で渡辺謙がナビゲーターを務めることは…
「ゴッドファーザー」のことを語りたくなった。1972年の初公開の時に見た思い出なんかをすこしだけ…。その原因はWOWOWで3部作を3日間連続放映していたから。相変わらず、チラッと見るだけのつもりだったのに目が離せなくなってしまう、その魅力とはいったい…
おそらく、ここ何日かの映画日記は新作が見られない状況であるため(劇場も試写室も休業状態は仕方がない)、ちょいと前の書きもらしていた作品をチョイスしていきたいと思います。まずは、だいぶ前に取り上げた「イップマン葉問」の前作である「イップマン …
香港映画を見るときに目にする『中華電影』という文字が表すように、または映画そのものを『電気仕掛けの紙芝居』と言い表すように、正に映画には電気が必要なのである。その電気が足りないという状況が、どれだけ映画と映画館に心苦しい状況であるか、様々…
周防正行監督が奥様の草刈民代さんと作り上げた新作「ダンシング・チャップリン」を舞台挨拶付きの完成披露試写で見せていただいた。全編バレエの舞台中継のような、ドキュメンタリーかと思いきや、前半は演目を舞台にあげるべくレッスンを重ねるダンサー達…
毎週日曜の朝7:00からフジテレビで放送している「ボクらの時代」が好きで、毎週録画して見ている映画仲間がいる。映画関係者の対談がけっこうあるので、見た後に今週の対談では誰々がこんなことを言っていたなどと教えてくれ、助かっている。先日も李相日、…