2012-01-01から1年間の記事一覧

「アルゴ」には、映画の醍醐味がすべて詰まっている!

面白いと感じる映画の、その条件はなんであろう。個人で感じる要素は様々あるだろうが、まずは以下の3点だと言えるのではないだろうか。 ①語られるお話が面白い ②映し出されている映像が、見応えがある ③演じている俳優、そしてその顔が映画の中で魅力的であ…

「リンカーン/秘密の書」と「ヴァンパイア」の日米の違いに唖然!

リンカーン大統領(ちょっとしたブーム?)はヴァンパイア・ハンターだった!というトンデモない法螺話で楽しませてくれるのがハリウッド映画。一方、自殺願望の若者たちの血を頂き、その行為は殺人ではないとし、最終的には自殺願望の娘と恋愛関係となるヴ…

「闇金ウシジマくん」は萬田銀次郎を目指すのか?

女優では竹内結子や柴崎コウ、男優では売れっ子になった岡田将生など、多くの俳優を抱えるプロダクション、スターダスト・プロモーション。今や、この事務所の俳優なくしては映画もTVもキャスティングがままならないとまで言われる。その勢いに乗ってスター…

「ハンガー・ゲーム」って何でこんなにアメリカで当たったの?

ハリウッド映画は常に全世界へ向けて作品を提供していると思っているが、それでも自国でのみヒットし、海外では不振な興行成績に終わる作品も多数存在する。特にコメディがその最たるものなのだが、他にも黒人向けに作られたものであったり、ホラー作品だっ…

「ロラックスおじさんの秘密の種」のメッセージは…

ディズニーにおけるピクサー(これは別格か?)があり、20世紀フォックスにはブルースカイスタジオがあるように、ハリウッドメジャーは、それぞれアニメーションを専門に製作するスタジオを保有している。そして、アニメには後発だったユニバーサルにもイル…

「ボーン・レガシー」を作った意味はどこにある?

リュック・ベッソンという製作者(監督ではなく)を侮ってはいけない。まさかアクション映画なんかやるはずがないだろうというイメージの役者を、見事に出演させヒットさせてしまう。そう「96時間」のリアム・ニーソンのことだが、続いて白羽の矢を立てたの…

「夢売るふたり」って、もっとスリリングであるべきだ!

「蛇イチゴ」「ゆれる」「ディア・ドクター」と順調にキャリアを積み重ねて来た西川美和監督の新作だ。「蛇」は宮迫博之、「ゆれる」はオダギリジョー、「ディア〜」は笑福亭鶴瓶と男優主演の映画を手がけてきたが、今回は主役は松たか子(W主演で阿部サダヲ…

「最強のふたり」は“最強の映画”か?

大ヒットのフランス映画である。週を追うごとに、いわゆる『デート・ムービー』となり、普段フランス映画なんて見たこともない若者にまで、客層が広がっていると聞く。その若者たちの感想が“チョー良かったぁ!”だ。おそらく、いつもは洋画だったら、ハリウ…

「天地明察」で感じる、映画はやはりキャスティングだ!

滝田洋二郎監督がようやく「おくりびと」に続く作品を発表した。それが「天地明察」。原作は『本屋大賞』で有名であるが、物語の主人公である安井算哲(という名は予告編で憶えてしまった!)が実在の人物か、原作者の冲方丁氏の創作であるかは、あえて知ら…

閉館前の浅草中映で洋画2本立て

シネコンで映画を見慣れている若者たちは、浅草で映画を見たことがおそらく無いであろう。かつては映画興行のメッカとして知られた浅草六区の映画館も、この10月21日(日)をもって全て閉館と相成った。まぁ、自分が高校生の頃から(37年前か?)すでに興行…

「プロメテウス」に戸惑う原因とは?

「エイリアン」と「ブレードランナー」という傑作を作ってしまった故、リドリー・スコットはいつまでも、その2作を代表作とされてしまう。よって全く映画を知らなければ、SF映画系の監督だと思われがちだ。ところがフィルモグラフィーを眺めてみれば分かると…

「THE GREY凍った太陽」は予告編にヤラれました!

昔は、予告編というものを、絶対というほど見なかった。別な言い方をすれば拒否していたのである。映画はその作品の予備知識をまったく入れないで見ることで、面白さが増すと信じていた。仕方なく見る場合は、目を閉じ耳を塞ぎ、画も音も情報として入って来…

コリン・ファレル主演の「トータル・リコール」の主役は?

余りにも、元気が良かった頃のカロルコのイメージと、アーノルド・シュワルツェネッガーの存在が大きいオリジナルがあるだけに、そんな無謀なリメイクをするのか?が正直なところだった。しかし、オリジナルの舞台だった火星を地球に置き換え、近未来は階級…

「桐島、部活やめるってよ」の青春像に自分を見た!

1972年、中学3年の時、ミュンへン・オリンピックの日本男子バレーの金メダルに感動し、それまで部活でやっていた野球を捨て、バレーボールに熱中した。翌73年の春、高校へ入って入学式にも出ず、バレー部の入部受付を探し校内をウロウロしてたら、入学式が終…

見せ場だらけの「アベンジャーズ」なのだが…

今年のアメリカ映画の、サマーシーズンの公開作で最もヒットした「アベンジャーズ」の結果に、最もビックリしているのは、もしかしたら映画を作ったマーベル関係者その方たちじゃないの?と思ってしまうぐらいのメガヒットだったが、普通の日本人が普通に見…

「あなたへ」「ツナグ」「人生、いろどり」で感じた『映画は引き継がれていく!』

9月がまったく映画が見られなかった状態にあり、かなりの飢餓感に襲われた。10月に入れば少しは見られることになったので、さっそく日本映画のハシゴをする。「あなたへ」「ツナグ」「人生、いろどり」の3本を1日で見てしまう。この3本の映画は非常に重要な…

「メリダとおそろしの森」は日本人には向かないのだろうか?

ピクサーとしては前作「カーズ2」は大失敗の判断をしてるでしょう。それは全世界の興行成績とか言うものではなく、作品のクオリティという部分での失敗であり、最もピクサーが嫌がる部分とも言えますね。そうした安易なシリーズ物を作ってしまった反省からか…

「The Ladyアウンサンスーチー ひき裂かれた愛」で見せたリュック・ベッソンの意外な一面

今の若い映画ファンはリュック・ベッソンを、どう見ているのだろうか?一時代を築いた映画監督としての認識はどれだけあるのだろうか?もしかしたら無国籍アクション映画の製作者としてしか見ていないかもしれないぞ!彼は「グラン・ブルー」(最初は「グレ…

「ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館」は素晴らしく怖い!

無事「ハリー・ポッター」シリーズの完走を成し遂げたダニエル・ラドクリフの新作がホラー映画で、全世界で大ヒットしていると聞いたのは、どれぐらい前だったろうか?その時は“ホラーじゃ日本では劇場にかからないで、ダイレクトパッケージかもしれないぞ”…

「おおかみこどもの雨と雪」はアニメじゃなくて映画でした。

スタジオ・ジブリが配給を請け負った「夜のとばりの物語」はフランスの素敵なアニメーションである。「アズールとアスマール」のミッシェル・オスロ監督が作った独特の世界観の影絵アニメだ。6つの短編のコンセプトは『愛は文化や形を越える』というもの。そ…

「るろうに剣心」は谷垣健治で見よう!

最初は、またまた日本の漫画の映画化だとしか思わず、キャストは魅力的であれど、それほど食指は動かなかったのは事実。「龍馬伝」で一躍有名になった大友啓史が、フリーの立場で監督した映画と言えども、キャストを見れば佐藤健も、香川照之も、青木崇高も…

賛否両論の「苦役列車」を楽しむ!

山下敦弘監督の「苦役列車」は、周りの意見を聞くと以外や『面白くない』『ダメだった』との意見が多かった。曰く原作が好きで、原作の貫太はこんなもんじゃないとか、主演俳優がカッコよすぎる、イメージが違うなどの意見で、逆に原作者の人気の高さを知ら…

今週の寅さん③ 第3作目「男はつらいよ フーテンの寅」

DVDの特典映像の予告編を見て驚いた!予告編を劇場で流す段階でのタイトルは、公開タイトルとなった「男はつらいよ フーテンの寅」ではなく、「続・続 男はつらいよ フーテンの寅」だった。これで何か納得。そう、なんで4作目のタイトルが「新」なのかなぁ、…

「アメイジング・スパイダーマン」が面白く感じた訳

そもそも、この映画の製作意図がよく分からないのだ。ついこの間サム・ライミ版の3部作が作られたばかりではないか。「ビギンズ」や「ファースト・ジェネレーション」のような前日譚的な物語ではなく、ピーター・パーカーという普通の少年が『蜘蛛男』になる…

「ダークナイト・ライジング」でIMAX初体験!

2回目の「ダークナイト・ライジング」を見にユナイテッド・シネマ豊島園に行く。1回目は丸の内ピカデリーの試写で、なんと確信犯的フィルム上映だった。それはそれで今となっては、何やら貴重な上映と思いはするものの、予告編で散々見させられたデジタル映…

「プリンセス・カイウラニ」でハワイ史を勉強!

まだ行ったことはないけど、ハワイが大好きである。身内が一生懸命フラをやっているせいもあるけど、それだけではなく、もっとずっと前から「ハワイの若大将」や「ブルー・ハワイ」といった映画から受けた、憧れの南の島という好印象からだろう。そして、こ…

オールスター共演の「緋牡丹博徒 鉄火場列伝」を楽しむ!

洋、邦問わず、映画は何で見るかと問われれば、やはり迷わず『スターで見る!』と言うだろう。最近は本当の意味でスターがいなくなったので、『俳優で見る』ということになってしまう。どちらにしろ監督で見るという場合は、作家性の強い映画で、なおかつ有…

「一枚のめぐり逢い」で分かる“何故、アメリカの恋愛映画が当たらないか”

ハリウッドは、本当にニコラス・スパークスの恋愛小説を映画化するのがお好きのようで、ケビン・コスナーの「メッセージ・イン・ア・ボトル」、リチャード・ギアの「最後の初恋」といったスター・ムービーから、見ているのに全然覚えていない「ウォーク・ト…

インディペンデント・スタジオの2つの優れた脚本作品

確かに力の入ったメジャー・スタジオの作品にも、さすがだと思わせるものがあるが、ここ最近のアメリカ映画で本当に『面白かったァ』と言える作品の多くは(配給はメジャーでも)製作母体がインディペンデント・スタジオのものが多い。その代表的な例が、デ…

「LOVE まさお君が行く!」の意外な見どころ。

テレビ東京の「ペット大集合!ポチたま」という番組は、知人が見ていて『楽しいよ』と教えてもらってはいた。その番組内の人気コーナー『ポチたまペットの旅』というのも犬好きには答えられないとのことだったが、時間が合わないので、未だかつて一度も見たこ…