2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

街を撮る難しさを知る2本の映画

ソフィア・コッポラが「ロスト・イン・トランスレーション」で東京を舞台にして、TOKYOという街を撮ったことが不思議だったし、よく分からなかった。なんでTOKYO?アメリカのどこぞの街じゃ、ダメなの?と思ったのだった。確かにリドリー・スコットが大阪を…

らくだ工務店「戦争にはいきたくない」を見て

映画だけではなく、TVドラマなんかにも目が効くため、信頼して情報交換している友人K氏に教えてもらった劇団らくだ工務店の、第20回公演「戦争にはいきたくない〜あるネジ工場の景色〜」を下北沢で見る。18回、19回公演と見てきたので、今回が3回目。K氏から…

「人間の条件」という超大作

小林正樹監督作品は「切腹」(リメイクタイトル「一命」はいいけど、何で3Dなのか、は分からん!)、「怪談」「上意討ち 拝領妻始末」、ここからリアルタイムで「いのちぼうにふろう」(大好きです!)「化石」「燃える秋」「東京裁判」と代表作はちゃんと見…

ATGの遺産とニューシネマの亡霊

残念ながらデビュー作「ゲルマニウムの夜」は未見(いつかスクリーンで見たい)なのだが、監督2作目の「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」で大森立嗣の演出っぷりに喜んでしまったのだが、新作「まほろ駅前多田便利軒」でもちゃんとその力量を示してくれた。…

マンガ映画「高校デビュー」

大人気DVD「THE3名様」やTVドラマ「33分探偵」で人気の脚本家福田雄一と「ハンサム・スーツ」を監督して注目を浴びた英勉が組んだ「高校デビュー」は、その原作である漫画のとおり(読んではないけど、テイストとしては)、ちゃんとマンガ映画になっていて、…

ヒネりが効いてる「アンノウン」

「スターウォーズ エピソード1ファントム・メナス」でクワイ=ガン・ジンを演じて以来、すっかりマスター(師匠)役のイメージが強くなったリーアム・ニーソン(「ナルニア」のアスラン王の声もあり)だったが、2009年の「96時間」でアクションも出来ること…

円谷英二の残したもの

先日、大阪へ出張の機会があり、新幹線での移動の間になんか読む本がないかなと思い、東京駅の駅ナカ本屋で、文藝春秋社の文庫本「円谷英二の言葉 ゴジラとウルトラマンを作った男の173の金言」を買って読んでみた。実は、円谷英二特撮映画の数々に対して、…

ザック・スナイダー、どうしちゃったの?

メイン・ビジュアルだけを見る限り、いかにもクールでカッコイイ、さらに金髪の可愛い女の子が出てくるという映画に思えて、期待は膨らみますよね。ところがアメリカ公開の批評がまったく良くない。これまで「300」「ウォッチメン」と順調にヒットを飛ばし、…

「ザ・ライト」は正統的エクソシスト映画

アンソニー・ホプキンスの「ザ・ライト」は“エクソシストの真実”と副題があるように、しごく真っ当なエクソシスト映画になっていて、もっと胡散臭いと思っていただけに、逆に拍子抜けしてしまったほどだった。しかし、今でこそ誰しも『悪魔憑き』に対して『…

カトリーヌ・ドヌーヴDVD−BOX発売!

4月20日にポニーキャニオンから(発売元ジェット・リンク)、なんと「カトリーヌ・ドヌーヴDVD-BOX」が発売された。このジェットリンクという会社が正体不明なのであるが、最近はポニーキャニオンを通じて、70年代に想いを寄せる我々に向けて、確実にヒット…

「アメイジング・グレイス」に見る映画の宣伝術

『200年の時を経て今明かされる、名曲誕生の秘められた感動の実話』、この文言は映画「アメイジング・グレイス」の宣伝文句である。もし事前にこれを読んだ観客は、ビジュアルポスターと共に、何を感じて映画を見に行くのだろうか?本田美奈子の歌唱で一般的…

いつの時代もアイドル映画!

6月4日封切りの通称「もしドラ」、映画「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」が楽しみでしょうがない。話題のベストセラーの映画化とか、原作がどうのではない。久しぶりに正統的アイドル映画が誕生しそうな予感がす…

「ランナウェイズ」と70年代

伝説のガールズ・バンド名をそのまま映画のタイトルにした「ランナウェイズ」は、1975年のL.Aを舞台として始まる。この映画にのめり込めるかどうかは、この時代をリアルタイムで通過しているかどうかで、かなり差が出るのではないだろうか。それだけ、このガ…

アマンダちゃんは何て呼ぶの?

一番分かりやすい例はスタンリー・キューブリックだろう。「現金に体を張れ」で注目された頃にはカブリックという日本語表記をされていたろう。しかし、しばらくするとクーブリックという表記が登場、ようやく今ではキューブリックが一般的な呼び方となって…

ロバート・ゼメキス、どこへいく?

ロバート・ゼメキス(監督ではないが)の「少年マイロの火星冒険記3D」は、相変わらずのパフォーマンス・キャプチャーで製作されている。監督作品の場合も、そうでない場合も、ここ最近の彼の映画製作は、この俳優の本来の素顔を必要としなくてもよいという…