2012年度個人的ベスト10発表!

まったくの個人的事情から2ヶ月あまり更新をしませんでした。数少ないとは思いますが、私のブログの何人かの読者の人たちに『更新ないですね』と言われましたが、なかなか書くモチベーションを維持出来ず、結局年越しとなってのようやくの更新になってしまいました。その間なんとか作品は見れてはいましたが(それでもペースダウンです!)、それを書いて残す作業が出来なかった訳です。

年が明け2013年となり、ようやく少し心が落ち着き、映画に向き合わなければと覚悟を決めましたので、まずは2012年を振り返り、恒例のベスト10を発表したいと思います。しかし2012年で見れたのが、旧作の鑑賞も含め170本と少ないため、本当に選んでいいのか?、漏れている作品が相当あるのじゃないか、と言う思いがあります。ただ、もしかしたら2013年は更に見られない状況なので、各10本が選べないかもしれないと思い、最後のベスト10という意味で発表させていただきます。

●外国映画

1 「007 スカイフォール」  
2 「アルゴ」          
3 「ファミリー・ツリー」    
4 「ダークナイト ライジング」  
5 「人生の特等席」       
6 「ヒューゴの不思議な発明」  
7 「戦火の馬」         
8 「ドラゴンタトゥーの女」   
9 「ソハの地下水道」      
10「J・エドガー」 

●日本映画

1 「アウトレイジ ビヨンド
2 「桐島、部活やめるってよ
3 「ももへの手紙」
4 「天地明察
5 「あなたへ」
6 「わが母の記
7 「苦役列車
8 「愛と誠」
9 「ふがいない僕は空を見た
10「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望
                  
選出の基準は年々シンプルになり、要するにどれだけ面白い話を魅力的な登場人物によって見せているか、だけです。まぁ、そこに作家性と映像美が加われば、もっと良いというものですね。驚いたことに興行成績とは裏腹に、洋画の方が豊作の年で選出に苦労するという、近年では稀な状況でした。「ミッドナイト・イン・パリ」「ヘルプ」「ペントハウス」「リンカーン弁護士」「ウーマン・イン・ブラック」を入れてベスト15にしたい程でした。

考えてみれば、どうしてもアメリカ映画を楽しみ,、ヨーロッパ圏(「007」は別でしょ)の作品は見ても心に強く残るものがなくなってしまっているようです。おそらくキネ旬でもベスト10に入るでしょう「最強のふたり」にしても“退屈はしないし、楽しめるけど…”という程度になっていますね。まぁ、オスカーにもノミネートされた「愛・アムール」は2013年のヨーロッパ圏では見たい作品ですけどね。

洋画については、1位〜7位まではアッサリというか、コレしか無いというかスンナリです。こうしてみると一番活躍した男優はダニエル・クレイグということになりますね。イーストウッドは監督作品より出演作品の方が、メジャーリーグものという事もありシックリきましたし、何と言っても「マネーボール」が描き出したドラマの正反対の視点というところが大いに気に入りました。

逆に邦画の方が2012年に関して言えば、洋画の「007 スカイフォール」のような頭抜けた作品はなく、2位〜5位は入れ替えても違和感は無い状態です。「アウトレイジ〜」は“ヤクザものの続編はこうやるんだ”という監督の頭の良さが際立つもので、観客層への意識や話の広げ方など映像で作り出す前の机上での熟考が見事。そこにあのラストの鮮やかさを見せられては文句なしでしょう。久しぶりに興行力と作家性が両立した作品だと思いますよ。10位はTVも含むシリーズに感謝して。「北のカナリアたち」「るろうに剣心」「鍵泥棒のメソッド」が漏れた。

以下は個人賞です。

外国映画監督賞 クリストファー・ノーラン
本当はベン・アフレックでも良いのですが、やはり3作を作り上げ、納得の大団円のラストを見せ、アメコミ映画というカテゴリーの概念を変えてしまったという力量には感服です。まぁ、ベンはこれからも多くの見ごたえのある映画を撮ってくれると期待してますので、いずれオスカーも手にするでしょうから、それからでも遅くはない!

日本映画監督賞 三池崇史
北野武監督以上に、『俺はコレがやりたいんだ!』という強い作家のエゴが発揮されているという点で、「愛と誠」の三池監督が圧倒的だ。まったく振り幅が激しい監督だが、今回は見事に剛球という名の変化球を投げ、決まりましたね。

日本映画主演女優賞 吉永小百合
個人的には沢尻エリカにしたいのだが、「ヘルタースケルター」の彼女は演技というより、存在という部分が大きいので、ここはやはり吉永さんで納得しよう。スター映画というものは見ていて気持ちがイイ!その周りを若い有能な俳優陣で固める方程式は「あなたへ」にも当てはまり安心して楽しめるのですね。

日本映画主演男優賞 高倉健
吉永さんの「北のカナリアたち」以上に健さんの「あなたへ」は究極のスター映画。作品が公開されたことだけでも嬉しくって、それだけで充分。それだけ邦画界には『高倉健』という存在は必要なのだ。この映画はさらに脇で大滝秀治さんを堪能しただけでなく、綾瀬はるか三浦貴大という若き俳優陣との共演という部分も邦画界にとっても大きな意味があるのだった。

日本映画助演女優賞 宮粼あおい
あおいちゃんは本来は主演女優であって欲しいのだが、2012年に限って言えば(本当は合わせ技は嫌なのだが)「天地明察」と「わが母の記」の2本が見事な助演ぶりで、彼女以外に考えられなかったです。「苦役列車」での前田敦子も頑張っていて、個人的には嬉しかったが、あっちゃんについてはこれからに期待して、今回は見送りです。

日本映画助演男優賞 
本当に山下敦弘は、魅力的な助演男優を見せてくれる監督だと今回の「苦役列車」でも感心。マキタスポーツの好演があったからこそのラストシーンでしょう。この存在感には「終の信託」の後半を請け負った大沢たかおも負けてしまいました!

という主要6部門ですが、2012年だけは特別に新人賞を設定させてください。「桐島〜」に出ていて強い印象を残した東出昌大くんに、今後の期待を込めて新人賞を挙げたいと思います。タッパもそうだが、久し振りの大型新人男優という印象です。モデル出身の先輩、阿部寛のようになってくれると嬉しいのです!

以上、ベスト10と個人賞でした!