2010-01-01から1年間の記事一覧

祝!拡大公開「キック・アス」

「キック・アス」がプリント数を増やし、またデジタル上映館も増やし、公開規模を拡大となった。まあ、こうなることは公開前の盛り上がりを考えれば、想定内であるが、まずは喜ばしいところだ。アメリカ公開時の騒ぎを敏感に感じ取った若い世代(この世代の…

ソン・スンホンさんとセガールさん!

意外な面白さだった2本の映画のこと。1本はハリウッド映画の日本版リメイク「ゴースト もういちど抱きしめたい」。そもそもオリジナルのデミ・ムーア版(という言い方でいいのでしょうか)が公開された頃は、韓国の恋愛ものを総称する“韓流”というカテゴリー…

「リトル・ランボーズ」をようやく見た!

『主人公の少年がですね、ある日「ランボー」を見て衝撃を受ける訳ですね。それで友達と自分達でも「ランボー」の映画を撮ろうとする映画なんですが、これがいいんですよ』と聞いたのは何年前だったろう。そう聞かされた相手は、この「リトル・ランボーズ」…

映画のタイトル略すのやめませんか?

「世界の中心で、愛をさけぶ」というタイトルがいささか長いから略して「セカチュー」といつの間にか映画業界を中心にして言うようになった。その後も「いま、会いにゆきます」が「イマアイ」となり、共に認知されたあたりから映画のタイトルを無理やりにで…

遅ればせながらの「愛のむきだし」

池袋新文芸座の特集上映にて、ようやく「愛のむきだし」を見る。朝から凄まじい観客動員だ。これだったらもっと長期間の通常上映してもいいんじゃないかと思えるほどだ。DVDが発売になり、主演女優の満島ひかりが売れっ子になった、ようするに公開のその後が…

新作邦画を語ろう

今年も残すところ後1ヶ月を切ったが、全体の印象としては邦画優勢の年だったように思う。早々と発表となった映画賞の一部はやはり「悪人」と「告白」の対決といったところか。そこでもうすぐ公開される話題作、現在公開中の新作邦画について少しだけ…。様々…

「ノーウェアボーイ」を見て、エルヴィスを想う

今はほとんど言わなくなってしまったが、映画のジャンルに『伝記映画』というのがある。その伝記の中にさらに音楽アーティストの波乱万丈の人生を綴る的なものがある。古くはアル・ジョルスンの「ジョルスン物語」、ジェームス・スチュワートの代表作でもあ…

「マチェーテ」と「ビッチ・スラップ」の差について

クエンティン・タランティーノとロバート・ロドリゲスの二人の登場とその後の映画界に及ぼした影響というのは本当に大きかったようだ。「ビッチ・スラップ」という愛すべきC級映画はいわゆる正統的なグラインドハウスムービーのひとつだ。上記の二人がこよな…

圧巻!「ロビン・フッド」

昨日の森田監督もそうであったが、自分の映画歴と同時代で登場して今も作品を精力的に発表し続けている海外の監督では、リドリー・スコットもその一人だろう。見逃している作品は「GIジェーン」と「プロヴァンスの贈りもの」の2本だけという高打率だ(他には…

これも幕末時代劇「武士の家計簿」

いわゆる同時代の監督ということになると、本当は長谷川和彦というべきなのだろうが、現在も作品を発表し続けているという存在ではないので除外すると、必然的にその監督と言えるのは森田芳光ということになるようだ。彼のフィルモグラフィーも見てみると、…

快挙!「ブラックサンデー」上映!!

いろいろ問題もあるが、そうは言っても映画館族には好評を博している『午前十時の映画祭』が、来年の2月以降も、2年目として開催されることが発表された。また日比谷のみゆき座は全日興行と(ただし2010年の番組)相成った。これはまさに問題視されていた“…

今の映画と比べてしまうのだが・・・

先日、映画を親しく語り合う友人宅に伺い、最近見た映画のことやら、70年代の映画のことやら、大型プロジェクターで映画を観たりと楽しい一時を過ごした。見せてもらった映画は東映の「明治侠客伝 三代目襲名」でした。なんとまぁ見事な映画でしょう。際立つ…

ジュネのイマジネーションを堪能

ひょんなことからガールズムービーの金字塔のような位置に立たされてしまった「アメリ」がどうにも好きになれない。なんか女性客層に媚びた感が拭いきれず、90年代はじめに「デリカテッセン」で鮮烈な登場をしたジャン・ピエール・ジュネのユニークなイマジ…

たまにはブルーレイを見よう

基本、劇場で見てこその映画人間なので、ほとんどDVDやBDを見ないのであるが、劇場では未公開に終わってしまった作品や、家のTVで見ても楽しめるお気に入りの名作だったら、たまに再生をする。前者の例で言えば、先日の東京国際映画祭のクロージング上映作の…

若尾文子、絶賛!!

10月2日から22日まで神保町シアターで特集上映されたのは『若尾文子』。どこの日本映画を特集上映する映画館でも若尾さんの特集は人気があるのだろう。本当に定期的に番組が組まれている。毎日でも通いたかったのだが、それは無理というもので結局最終日の最…

らくだ工務店「動かない生き物」

赤坂REDシアターで、らくだ工務店の公演「動かない生き物」を見せていただく。前回の公演は下北沢だったが、今回は赤坂。どうやら下北とともに赤坂も種々演劇の聖地のようだ。あれは自分がまだ二十歳ちょいぐらいの歳だったと思う。通っていた新宿のスナック…

「恋愛戯曲」は舞台劇だったのですねぇ

深田恭子と椎名桔平と自分にとって大変魅力的なキャストの映画「恋愛戯曲〜私と恋におちてください。〜」は見ている最中、ず〜っと、この設定のTV局をブロードウェイに、また女流シナリオライターを中年の劇作家に置き換えたら、それってニール・サイモンの…

トムVSスライ、俺様合戦に拍手!

先週から封切られた「エクスペンダブルズ」当たっているとのこと。大変喜ばしいことである。その前に始まっている「ナイト&デイ」もちゃんとお客様を集めているとのこと。これまた嬉しいニュースではないか!なぜ嬉しいか?それはこうしたアメリカ映画がヒ…

昭和の名優たちの死

友人S氏から電話で24日(日)に東京會舘で『小林桂樹さんのお別れの会』が開催されると聞く。なんだか会の発起人に名を連ねていて実務をこなさなければならないとのこと。まあ、実務は若い奴がやらなきゃならんでしょ。でも電話をもらって改めて名優の死を実…

リスベットにゾッコン!

ミステリー小説ファンなら、ず〜っと前から知っていたのでしょうが、こちとら映画化されてから知ることばかりなので「ミレニアム」シリーズ第1作目「〜ドラゴンタトゥーの女」も公開された本編を見てみて、ようやくリスベット・サランデルという魅力的なキ…

今年の女優賞は誰に?

ベルリン映画祭で最優秀女優賞を受賞したので、本年度の邦画の主演女優賞は寺島しのぶで決まりかと思っていたら、モントリオールで受賞した深津絵里が「悪人」で対抗してきた。でも2年連続で松たか子(オスカーエントリーは「告白」だもんねぇ)の線だってま…

トルストイと聞いて構えてしまったが・・・

「終着駅」と聞けばオールドファンはジェニファー・ジョーンズとモンティの映画を思い出すだろうが、これは新作で原題は『ラスト・ステーション』とそのままで、正式邦題は「終着駅〜トルストイ最後の旅〜」となっている。今年春のオスカーレースで原題名の…

「オカンの嫁入り」賛!!

本年度のクオリティの高い作品のある種の傾向として、登場人物たちの救われない人生を見つめる作風のものが多いということが言えるかもしれない。邦画なら「告白」「悪人」、外国映画なら韓国の「息もできない」といったように、ほとんどの登場人物が同じよ…

「美女と野獣」こそ古典的正統派ミュージカル!

1991年製作の「美女と野獣」が3D映画で復活すると聞いたときの最初の感想は“2D手描きアニメをどうやって立体画像にするの?”だった。旧作映画の3D化はディズニーでは、すでに「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」があるが、あれは手描きではなく齣撮りのパ…

「君に届け」が届いた!

仕事柄、記号としてのみであるが、「君に届け」が人気のある漫画であって、アニメ化にもなっていて、好セールスを記録しているのは、知っていた。しかし内容までは、今回の映画を見るまでは知らなかった。まあ、こんなオヤジが知らなくても別に恥ずかしくは…

やっぱりハリウッドミュージカルだ!

こうして一応ブログのようなものを書き始めてみて、気がついたのだが、どうにも洋画の分が悪いのだ。新作封切りにしても、コレ!という劇映画がなく、ハリウッド製のアニメで“いいんじゃないの”という程度なのだ。さらに旧作名画を見せてくれる映画館は、ほ…

舛田利雄と池上金男と「昭和のいのち」

相変わらず、まだまだ映画についての勉強が足りないと日々痛感させられるが、特にそれほど作品を見ていない監督についてと(それ以上に)脚本家の方々が追いついてない。それを痛感させられたのが、阿佐ヶ谷ラピュタで上映されている『佐藤慶特集』での「昭…

「十三人の刺客」東映対東宝

工藤栄一の傑作時代劇「十三人の刺客」がリメイクされた。東映が作った時代劇を東宝がリメイクである。いささか不思議だ。また、相変わらず、キネマ旬報ではキチンとリメイクと語っているのに映画そのもののプレスや宣伝文句などにはリメイクのリの字もなし…

「花と蛇」は銀座シネパトスで

日活ロマンポルノ、谷ナオミ版「花と蛇」を見たのは高校生の頃だったろうか?実はそれほどの衝撃はなかった。なぜなら順番が逆になったのかもしれないが(製作年度は同じ1974年)、それ以前に「生贄夫人」を見てしまい、その衝撃度の方がはるかに強かったか…

新東宝の女優さん!

映画の歴史をキチンと勉強する前、新東宝という会社のイメージは、一言で現すならば、『エッチな映画を作っている会社』だった。その会社が、戦後の東宝争議をきっかけとして産まれ、高峰秀子さんも名を連ねた東宝を離れたスター達で作られた会社、そして良…