「リトル・ランボーズ」をようやく見た!

『主人公の少年がですね、ある日「ランボー」を見て衝撃を受ける訳ですね。それで友達と自分達でも「ランボー」の映画を撮ろうとする映画なんですが、これがいいんですよ』と聞いたのは何年前だったろう。そう聞かされた相手は、この「リトル・ランボーズ」を買い付けた配給会社の人でした。

それがなんと2年半ぐらい前のこと。いかに1本の映画が買い付けから公開への、その道のりが長くかかるかがよく分かる出来事ですよね。しかしその聞いたときの第一印象は“それで、なにが面白いんだぁ”の一言でした。

というわけで『ようやく見た』となる訳だ。そして配給会社の人が言っていた、いいんですよ!が分かった次第です。80年代をはじめとした(「ランボー」だから当然)映画に対する愛情がしっかり伝わってくるし、友達となる腕白小僧の実は寂しがりやというところも「小さな恋のメロディ」のジャック・ワイルドなのである。

なにより余計な恋愛感情などを描かず、男子の友情と兄に対する愛情のみとしたところが好感が持てるし、その男子がいかにイギリスが幼く、フランスは大人かのディフォルメが面白い。

ラストのクレジットにちゃんとスタローンとブライアン・デネヒーに対してのspecialサンクスが表記されているように、これは「ランボー」という映画があってこその物語。それだけこの映画には昭和の小僧たちが時代劇に夢中になってチャンバラをしたごとく、こんなアクションをやってみたいと思わせる子供心を刺激するヒーロー像があるといえるだろう。

『おおぅ!』と唸った場面は、悪ガキ少年がコールタールまみれになった主人公の少年を引き上げて助けるところ。ここに監督のセンス爆発!これはh・J・クルーゾーの「恐怖の報酬」の名場面ではないか!!

最後に完成された短編映画の上映は「ニューシネマ・パラダイス」を一瞬思わせるが、あれよりずっと良くできていて感動させてくれることに気づく。

登場するすべての子供たちの顔がいいですね。そして上級生たちが屯す場面での80年代ビデオクリップパロディーに大爆笑!これは20代の観客が見ても心底楽しめないかもしれないなぁ、でも30後半から40代以上の男子は大満足の映画でした。