映画のタイトル略すのやめませんか?

世界の中心で、愛をさけぶ」というタイトルがいささか長いから略して「セカチュー」といつの間にか映画業界を中心にして言うようになった。その後も「いま、会いにゆきます」が「イマアイ」となり、共に認知されたあたりから映画のタイトルを無理やりにでも略して一般人も業界人的に使うようになってしまった。

まあ、それ以前の代表は「ロミオ&ジュリエット」(デカプリオのほうですよ)を「ロミジュリ」と言ったことだろう。若者向け映画であればあるほど、略される傾向にあるのかな?

そんな業界内の通称でタイトルを言っている話題を「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの2作目の時期に会社の人間に事を話したところ、変に感心したように『そうなんだぁ、じゃあ「パイカリデッチェ」だな』と2作目の「デッドマンズ・チェスト」を茶化した。その時点ではまさか「パイレーツ」まで、そんな変な略しかたをしないだろうと思っていた。

ところが4作目の紹介で、あのフジTVがやってきた!朝の番組でのタイトルに堂々と「パイカリ」と謳ったのだ!映画に対する愛と知性がまったく感じられないことを平気でするもんだと呆れ返ってしまった。

ワーナーホームビデオの海外TVドラマ「スーパーナチュラル」もワーナーの人間自体が「スパナチュ」といって悦にいっている。東宝も「日本沈没」を当然のように「ニッチン」と言っていた。百歩譲って会社の中だけなら使っても良いかもしれないが外部の人間と映画の話をするときはキチンをタイトル言おうよ。そうしないと相手にちゃんと映画の魅力が伝わらないよ。

そのうち往年の名作でも略されたらたまったもんじゃない!「ロマキュー」とか「アパカギ」とか「アスウテ」とか平気で言いそうでヒヤヒヤである。そうした発言がどれだけ(本人は単なる通称としての意識しかないだろうが)映画を軽るんじている印象を与え、さらにその人自身も軽く見られるかをもっと自覚するべきだろう。

最後の忠臣蔵」が「サイチュー」と言われそうだ。その度、“ちゃんとタイトル言ってください”と諭す覚悟であるが、来年5月20日に封切りが決まっている「パイレーツ〜」第4弾を誰しも「パイカリ」って言い始めても、そこは訂正させるエネルギーはないなぁ。