快挙!「ブラックサンデー」上映!!

いろいろ問題もあるが、そうは言っても映画館族には好評を博している『午前十時の映画祭』が、来年の2月以降も、2年目として開催されることが発表された。また日比谷のみゆき座は全日興行と(ただし2010年の番組)相成った。これはまさに問題視されていた“なぜ人気番組なのに、十時から一回しかやらないのか!”に答えた形だ。

そして興味は2年目に上映される50本の作品ということになる。その中に77年のアメリカ映画「ブラックサンデー」が入っているでないか!これは快挙である。よく上映に漕ぎ着けた!!素晴らしい!どう賞賛しても足らないほどである。

それだけ「ブラックサンデー」という映画はある世代にとっては見たくても見られない幻の作品となってしまっているのだ。もちろんソフト化にはとっくになっていて内容自体は確認できるが、やはりこの時代の映画は館(こや)で見ずしてなんとしよう、なのである。

靖国」や「ザ・コーブ」の例もあるように映画の上映には妨害行為が伴うことがたまにある。そうした事件の中で最も有名なのが、この「ブラックサンデー」上映中止事件だろう。興行がテロの脅迫に屈した瞬間だった(ちょっと大げさ?)。

しかし、当時の配給会社CICはちゃんと試写も行い(双葉先生は見ていた、が有名ですよね)、公開するつもりであったが、たしか5日前辺りで(脅迫声明があったため)中止としてしまったのであった。予定されていた公開劇場は、もっとも作品テイストにあっていた旧日比谷映画劇場でしたね。まだ二十歳の単なる映画青年個人の記憶だから、そんな程度の記憶でしかなく、その事件の真実などは知る由もないが、ただ“映画ってこんな形で見られなくなることもあるんだ、残念!”という感想だった。

もちろん、監督はジョン・フランケンハイマー、出演はロバート・ショー、ブルース・ダーンマルト・ケラーということは承知であり、後に「羊たちの沈黙」で超有名となるトマス・ハリスの原作も、映画が公開されない腹いせに読んでしまったので、内容云々はどうでもよいのだ。ただスクリーンいっぱいにマイアミのスーパーボールの会場が映るカットが見たいだけなのだ。

よって、もしかして自分は映画ファンと言うより映画館ファンかもしれないと思ったりもするし、人からも言われた。ただ、確実にいえることは『映画』の定義はエジソンの発明したキネトスコープという一人で見る装置より、リュミエール兄弟の多くの人に見せたシネマトグラフに当てはまることだろう。

そうした意味が「ブラックサンデー」以上に当てはまるのが、『午前十時の映画祭2011』で上映される「大いなる西部」だ!実は個人的には、こちらの上映のほうが嬉しいのだ!映画館初封切りには間に合わず、日曜洋画劇場の2週連続放送で見てはいたが、サイズが違うではないか。以前に大井武蔵野館で上映されたTVトリミング版では、見たことにならないのだ。

この2本の上映だけで、2年目の映画祭を賞賛してしまっても、まったく問題ないでしょう。