2012-01-01から1年間の記事一覧

山下耕作監督「女渡世人 おたの申します」に涙!

久しぶりに池袋新文芸坐へ行き、山下耕作監督特集上映にて、藤純子主演の「女渡世人 おたの申します」を拝見する。本格的な仁侠映画を堪能するって、何時以来になるのかなぁ。東宝の青春映画ばっかり小学校高学年から見ていたので、東映の任侠映画には大いに…

今週の寅さん② 第2作目「続・男はつらいよ」

結論から先に言うと、久しぶりに見た第2作目、いわゆる続編がこれほど良いとは思わなかった!この続編の水準があったからこそ、長きに渡るシリーズとなったのだろうと確信出来る1作だ。もちろん前の第1作目で、登場人物それぞれのキャラクターが認知されてい…

「スノー・ホワイト」の新解釈は、是か非か?

「白雪姫」の物語はグリム童話のひとつというより、ディズニー映画の代表作という印象が強い。ディズニー長編カラーアニメ第1弾として1937年に公開されて以来、会社の至宝として大切にされてきたのだから、当然であろう。ディズニー映画は今でこそ頻繁には行…

どんどん良くなる「海猿」!仙崎は浜崎だ!

「BRAVE HEARTS 海猿」は、シリーズ4作目となる。あれっ前作の宣伝文句でラストって言ってなかったっけ?とツッコミを入れてみるものの、ファンの声に答えた続編と聞いて納得するものがあった。なんだかんだ言っても自分も「海猿」ファンのようだ。なぜ、こ…

今週の寅さん① 第1作目「男はつらいよ」

個人的なことであるが、少しばかり時間が自由になりそうな気配があり、もし自分にある一定の時間があるのなら、何をしたいか?と問いかけてみた。すると色々なやりたいことと共に、何故だが「男はつらいよ」を全作(全部見てるわけではない)、毎週1本DVDで…

「ホタルノヒカリ」の映画化は成功したのか?

今年の公開でファイナルとなる「踊る大捜査線」の映画化は、現在のTVドラマからの映画化の流れの、先駆者的存在と言って差し支えないだろう。確かに国民映画「男はつらいよ」だってTVドラマから出発した映画作品と言えなくないが、それはあくまで偶発的な映…

エミリオ“親孝行”エステベスと呼ぼう!

今や死語に近い言葉であるが、80年代に活躍した若手俳優を総称して『ブラッド・パック』と呼ばれていた。その中の代表的存在の一人がエミリオ・エステベス。「ブレックファスト・クラブ」や「セント・エルモス・ファイヤー」は本当に魅力的でした。しかし、…

実話っていうやつには適いませんよねぇ。

詳しく調べたことはないが、印象としてはアメリカ映画って、日本映画より圧倒的に実話を題材にした映画が多いように思う。最近の映画でもレイチェル・マクアダムスの「君への誓い」も、マット・デイモンの「幸せへのキセキ」も実話からの映画化だ。まさに、…

三池崇史監督の変化球という名のど真ん中のストライク!

梶原一騎、ながやす巧の「愛と誠」が三池崇史監督で映画化されるというニュースを聞いたとき、素直に不良感性のある青春学園ラブ・ストーリーが出来るのだろうと予想したが、その考えは甘かった!とファースト・シーンのアニメーションで思い知らされた。そ…

アイドルは映画女優でもあったのだ!

最近、ようやくYouTubeを頻繁に見るようになった。映画の一場面だけの確認をしたい時に、けっこう重宝したりしている。ひとつの映像を再生して終了すると、関連する映像も『どうぞ』というように画面に現れる。何かの拍子に再生したのが80年代アイドル歌手の…

まさか「MIB3」が泣かせの映画とは!

「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」は前作「最後の聖戦」から19年、「ゴッドファーザーPART3」は「2」から16年、「ロッキー・ザ・ファイナル」も「5」から16年と、アメリカ映画得意の続編ものには、けっこうシリーズの間が空いたものがある…

ザッツ・アメリカン・グッド・ムービー!

アメリカ映画を見る楽しみとは何だろうか?メイド・イン・ハリウッドと言うべき派手な映像に彩られたヒーローものだろうか?それも良いだろう。サスペンス溢れるアクション大作や、SFファンタジーも良しとしよう。また、人気コメディアンお笑いに身を委ねる…

1972年のコネタが満載だ!

『1972年』、なんといい響きだろう。自分の映画体験の中で最も重要な年である。中学三年生であった。もちろん映画には目覚めていたが、まだ邦画(特に東宝!)一辺倒だった。2月に行われた札幌オリンピック(ジャネット・リンをはじめとしたフィギュア・スケ…

ウディ・アレン・イン・パリ

ニューヨークで映画を作り続けていたウディ・アレンであるが、このところヨーロッパを舞台にした映画が多い。ペネロペ・クルスにオスカーをもたらした「それでも恋するバルセロナ」は、そのタイトルで分かるようにスペインで撮った映画。その前の「マッチポ…

「GIRL」という名のボーイズ・ムービーで助かったぁ!

アメリカで「セック・アンド・ザ・シティ」や「プラダを着た悪魔」などの、ファッショナブルなガールズ・ムービーがヒットすると、邦画の企画もそれに習ったものが登場するようになった。複数の女子の様々な“お仕事をはじめとした生き方”を描くというのが基…

キャメロン・ディアスの壊れ具合を楽しもう!

ウィル・フェレルとマーク・ウォールバーグの「「アザーガイズ 俺たち踊るパイパー刑事!」もそうだったが、本来はソニー・ピクチャーズが配給するべき作品なのに、日本最古の映画会社で今年めでたく100周年を迎えた日活が配給する洋画がまた登場した。キャ…

アメリカでしか受けない、お下劣ガールズムービー

今年のアカデミー賞の授賞式の中継を見た人なら、ちょっとオバさん入った女優が4〜5人出てきて、座を掻き回していた場面を見て『誰なんだ、コイツら?』と全員感じただろう。そう、彼女たちこそアメリカ国内で1億5千万ドル以上の興行成績を打ち立てたコメデ…

マット・デイモンも親父役を演じるようになったかぁ

どうやらアメリカは映画を通して、もう一度父親と子供との関係を見直そうとしているようである。この「幸せへのキセキ」も「ファミリー・ツリー」も、母親が亡くなり(もしくは亡くなる時)残された父親と子供たちのコミュニケーションの再構築の物語であり…

とりあえず、大ヒットの要因は確認しました。

もしかしたら、本年度の邦画興行成績のNO1(まぁ「踊る〜ファイナル」と「海猿4」次第だけれど)の成績を上げるかもしれない「テルマエ・ロマエ」の大ヒットを誰が予想しただろうか。20億いけば大ヒットのはずが、50億突破が確実ときては『超大ヒット』だろ…

ワンマン映画に文句を言っても始まらないでしょ。

キネマ旬報誌に載っていた大高宏雄氏のコラムで槍玉に上がっていたトム・ハンクスの監督作品「幸せの教室」であるが、見事なほど大高氏の言いたいことが分かり、思わずニヤリとしてしまった。要するに、この映画の脚本上の不備や、キャラクーの描写の大雑把…

何か悔しいけど、文句なしの作品!

原田眞人が映画監督になる前の、映画ジャーナリスト時代を知っているのは、現在、何歳ぐらいの映画ファンだろうか?記憶に残っているのは、若者向けの洒落た雑誌系にLA発信の映画情報などを書いている頃からか?ユニークな存在の映画評論家がいるなぁと思っ…

「バトルシップ」の向こうに見えるハリウッドの弱体化

日本におけるアメリカ映画の公開時期は、それぞれの配給会社の思惑とブッキング次第で、様々となっているのが現実である。ソニー・ピクチャーズのように、ひたすた日米同時公開が基本ラインのような所もあれば、ディズニーが配給するこの夏の大作「アベンジ…

恋愛青春映画の王道はこれで良い!

「僕等がいた」の原作のボリュームがいかほどのものかは知らないが、ひとつの物語を前半、後半に分けて公開する形で映画化となった。乱暴にぶった切ると前篇が高校篇、後篇が大学・社会人篇といったところだが、この映画については前・後の製作も、その連続…

沢尻エリカと言う名の疾走する破滅と破壊の青春

「さくらん」を見たとき、蜷川実花監督の力量は把握出来たので、次回作も期待出来ると思っていたが、一方では花魁の世界を描いていながら、いわゆる艶っぽい描写の少なさに不満もあり、もし監督2作目があるなら、大胆な性愛描写にチャレンジして欲しいと思っ…

ファム・ファタール映画にして欲しかったなぁ

あれは何ヶ月前のことだったろうか、写真週刊誌のグラビアで、笹峯愛の大胆な濡れ場の映画が紹介されていたのは…。その作品がようやく公開となった。タイトルは「彼女について知ることのすべて」。このタイトルではどんな内容かは全く分からず、まずは女優を…

「戦火の馬」は、スピルバーグの映画体験がよく分かる1本だ!

一人の監督をデビュー作から見続けていられる事が、本当に映画ファンには幸福なことなのだ。自分の映画鑑賞体験と、その監督のキャリアがずっっと繋がっているいられるわけなのだから…。自分にとって、その代表がスティーブン・スピルバーグだ。アメリカでは…

ベン・スティラーの痛快コメディに拍手!

アメリカ国内では絶大な人気を誇るのに、日本では中々そのコメディセンスが受け入れられず、作品が未公開に終わってしまうことが多い。コメディに限らず、ブラック・ムービーや、ホラーもそうした未公開カテゴリーだが、要するにインターナショナルを相手に…

巨額な損失映画ってコレですか?

日本での公開直前に『ディズニー映画「ジョン・カーター」がギネスブック級の損失!』という報道があった。ひと足早く公開したアメリカでの成績が芳しくなく、製作費が莫大であったため、その回収はまず無理だろうというものだった。マイナス要因を取り上げ…

「ファミリー・ツリー」を初日に見てしまった!

普段は、映画が公開されてもすぐに見に行くことはぜす、昔で言ったら“そろそろロードショーが終わる頃だ”と、例えば情報誌(これが無くなって困っているのだが)に『〇〇日まで上映』と出てから見に行くことが多かった。しかしシネコンの時代となり、良い映…

新作「キラー・エリート」とサム・パキンパーという監督

サム・ペキンパーは、自分の映画史の中で特別な存在の映画監督だ。リアルタイムで間に合って見たのが「ジュニア・ボナー/華麗なる挑戦」からだが、一番最初のペキンパー体験は「わらの犬」だった。二番館での「卒業」と2本立て、ダスティン・ホフマン特集で…