祝！「イップマン 序章」公開！

おそらく、ここ何日かの映画日記は新作が見られない状況であるため（劇場も試写室も休業状態は仕方がない）、ちょいと前の書きもらしていた作品をチョイスしていきたいと思います。まずは、だいぶ前に取り上げた「イップマン葉問」の前作である「イップマン　序章」。『無事』に公開になったので、さっそくレイトショーに駆けつけた。

『無事』と書いた訳は、一部の映画ファンの間で話題になった新宿武蔵野館で続編の「葉問」が、観客動員5000人突破を果したら、1作目の「序章」を公開するという条件が満たされたからだ。ホームページ上で「序章」公開まで、あと何人のカウントダウンしていて話題を盛り上げていた効果もあったのだろう。

でも個人的な意見としては、普通に2部作の1作目として、この「序章」から公開して欲しかったなぁ、と思う。それほど、1作目と2作目はつながっていたのである。武門の街に殴り込みに来て、イップマンに返り討ちにあうヤクザな武道家が、2作目では市場で助けてくれる場面で登場。ようやく人間関係が分かったのだった。

物語は2部構成。それぞれの道場がひしめく武門の街、広東省仏山市に住むイップマンの日常である。妻（この奥さん役の女優さんが、すっごく綺麗！）がいて、可愛い息子がいるが、拳法のことになると家庭を帰りみず、すぐ出かけてしまう。各道場主は彼に手合わせを申込みに来るが、自身は道場も弟子もない孤高の武道家だ。そんな彼が街の危機に、ようやく人に教えるという、意味にあることだと知るのが前半だ。

そして後半は、日本軍に占領された街で、イップマンまで、肉体労働をしなければ食べられない中、日本軍の武道家の三浦将軍と対決しなければならなくなるまでが描かれる。しかし日本軍はイップマンに対して、たとえ勝ってもその瞬間に銃弾が襲うという脅迫する。軍の士気のため、イップマンの勝ちはないという状況の決闘だ。武道家同志が分かり合えるかもしれないというラストを期待したこちらの思いは（まぁ、これが史実だろう）叶えられることはない展開だ。

2作目に登場のサモ・ハンのような強烈なキャラクターは登場しないが、日本人武道家に池内博之が扮し、なかなかのアクションを見せる。しかしキャラクターの強烈さでは、その部下の佐藤主任になる役者の個性は目を見張る。段田安則さんを小柄に、さらに憎たらしくした感じだ。

とは言っても、やはりこの映画はドニー・イェンあってのものだ。中国拳法の形はよくわからないが、このドニーの形はもっとも少ない動きで、相手の攻撃を防御するのが基本のように優雅な動作で、ブルース・リーや、ジャッキー・チェンとも違うかっこよさだ！すでに「HERO」や「セブンソード」など、何本かドニーの作品を見ていたはずなのに、今までちっとも響かずにいたのが不思議でならない。

あぁ、早く「孫文の義士団」が見たい！