2011-01-01から1年間の記事一覧

短編小説の映画化は意外と難しい!

よく、映画が先か?原作が先か?という論争になったりする。要するに映画を観る前に原作小説を読む派か、原作を読みたくても我慢して、映画を見た後に読む派か、である。中学生の時に新宿プラザ劇場で見た「ゴッドファーザー」が本当に面白く“映画って凄い!…

映画は、いつ型になったのだろうか?

渋谷のシネマヴェーラは、日本映画の監督特集上映ばかりかと思っていたら、サイレント映画の貴重なプリントの上映もしてくれる。ちょうど時間があったので、先日ラオール・ウォルシュ監督の1926年作品「栄光」を見てみた。サイレントと言えば、チャップリン…

「コクリコ坂から」の楽しさと難しさ。

1963年の横浜を舞台にしたスタジオジブリの新作「コクリコ坂から」は、ジブリの特徴である、ファンタジックなお話とはかなりかけ離れている。それが宮崎駿自らの監督作品であるかないかは別にして、今まで製作されてきた映画は、いわゆる人間世界の現実の物…

充実の松山ケンイチ!

撮影していた時期は、それぞれ異なると言えども、ひとりの俳優の出演映画が1年間に3本もあるというのは、多すぎでしょ、と思いながらも、それらの作品が素晴らしいものであった場合は、また別な判断をしてしまう。この俳優さん、充実しているなぁと。その俳…

マイケル・ベイはなぜ批評家から嫌われるのか?

映画の興行的価値と批評は別物であるとよく言われる。確かにハリウッドの娯楽作品を見てみれば分かるが、、1億ドルの興行収入をあげるヒット作でありながら、批評家からは総スカンをくう作品はザラにある。そしてそうした作品を作り続ける、代表的な監督こそ…

「嵐を呼ぶ楽団」はシネ・ミュージカルの傑作でした!

ひと月ほど前になるが、阿佐ヶ谷ラピュタにて井上梅次監督1960年度作品「嵐を呼ぶ楽団」を見る。ラピュタにて特集上映された『宝塚映画製作所 黄金の日々』の中の1本だ。実は作品自体は2回目の観賞である。最初は今から20年以上前に、東宝がこの映画をレーザ…

「2」のレベル維持に必死のハリウッド

ハリウッド映画の嫌われる理由のひとつに、続編があまりにも多いということが挙げられる。ひとつのヒット作をを生み出すのに苦労するからだろうが、ひと度ヒット作となった企画は、すぐにシリーズ化され、飽きられるまで作ろうとする。その貪欲さには感心す…

ブルーレイでモノクロ映画を楽しむ

無事53年のお勤めを終えたアナログ放送。デジタル放送に完全移行となり、はたして本当にTVライフが変わるのだろうか?と思いながら映像パッケージに与える影響を考えてみる。アナログ放送より、DVDの方が綺麗、DVDよりデジタル放送の方が綺麗、デジタル放送…

アメコミ映画、百花繚乱!

アメリカ映画のブロックバスター作品の主流が、アメコミからの映画化作品になったのは、いつぐらいからだろう。ティム・バートンが「バットマン」を作ったあたりでは、まだ「バットマン」は「バットマン」というアクション映画であり、『アメコミ映画』とい…

不振を極めるアメリカ映画の象徴的特徴について

本当は「SUPER8スーパーエイト」(以下「〜8」)についてのみ語るつもりだった。いかに「〜8」が映画オタク二人が作ったパーソナルな作品であり、一見すると騙されてしまうが、実態は不出来でどっちつかずの映画に終わっているかを語るつもりだった。しかし…

「大いなる西部」スクリーンで見られるまでに、40年待ちました!

映画の魅力に取り付かれた少年時代。もちろんビデオなんていう贅沢なものもなく、観たい映画はスクリーンで上映される機会を待つしかなかった時代である。ちょうどその頃、運の良いことに名作のリバイバルロードショーが盛んで、また名画座も多数存在してい…

松本人志監督「さや侍」への戸惑い

世界のキタノになる以前の事。お笑い芸人ビートたけしが突然映画監督になった。公開された作品は「その男、凶暴につき」(1989)。当時、勢いのあった松竹の名物プロデューサー奥山和由が、話題性優先で作らせてみたんだろうという先入観の塊で見た。衝撃以…

俳優ドゥエイン・ジョンソンが大好きだ!

何の映画かは忘れたが、子供の乳歯が抜けたら、枕の下に入れておくという外国の風習を聞いたのは、かなり前のことだった。しかし、その歯を1ドルと妖精が交換してくれるというところまでは忘れていた。その妖精のことを“トゥース・フェアリー”というそうな。…

L.Aって破壊されてばっかりだなぁ…

なんとか公開が9月に決まった「世界侵略:ロサンゼルス決戦」は、襲いくる宇宙人と軍隊の闘いを描いているようである。予告編を見る限りニューヨーク、パリ、モスクワなどの大都市はすでに宇宙人に破壊され、残るロスだけは死守せよと頑張る小隊(プラトーン…

ゲンスブールって誰?

いつの頃からだろう、フレンチポップスを『おしゃれな』サウンドと決め付けて、崇め奉るようになってしまったのは?最初にミッシェル・ポルナレフの「シェリーに口づけ」を聞いたときも(中学生の頃だな)“ふ〜ん、フランスも中々いいじゃん、言葉わからんけ…

難点だらけの「パイレーツ〜生命の泉」でした

どういった形でジェリー・ブラックハイマーに説得されたか知らないが、終わったと思っていた「パイレーツ・オブ・カリビアン」のシリーズが作られ、ジョニー・デップがジャック・スパロウとして帰ってきた。しかし前3作の主要人物のウィル・ターナーとエリザ…

捻りの効いた映画と、まったく捻らない映画

劇中の登場人物が3人だけ、という謳い文句に偽りがないか、また本当にそんなんで映画が出来るのか?という疑問を解明するために、さっそく「アリス・クリードの失踪」を見てみる。確かに登場人物は、拉致されるアリスと誘拐犯の二人組という3人だけであった…

忽那汐里に注目!!

カンニングの竹山が主演をした「守護天使」に出ていたことは知っていたが、公開規模を広げられない配給会社の悲しさというやつで、目にすることが出来なかった。中村義洋監督の「ちょんまげぷりん」では、どこに出ていたか分からなかったので、忽那汐里を(…

青島俊作より黒田康作だ!

いまでも不思議なのは織田裕二主演の「アマルフィ 女神の報酬」の公開時での散々な言われ様。そんなにつまんなかった? なんか日本映画の、東宝配給の局製作の大作に対して、キネマ旬報ベストテンに入らなきゃ認めないとか、作家としてのテーマ性が発揮され…

ヘレナ・ボナム=カーターが良くてビックリ!

遅ればせながら、ようやく「英国王のスピーチ」を見た。このような大人の映画がちゃんと評価される外国というのは、やはり映画的成熟度が優っていると言えるのだろうか。「パラダイス・キス」のようなティーンムービーがチヤホヤされるのは、どうなんでしょ…

魅力的な二人のお婆さんの映画

いしだあゆみ、63歳。ヴァネッサ・レッドグレイブ、74歳。共に老齢の女優と言わざるを得ない。その二人がそれぞれ主役に負けずに重要な役を演じた作品が公開されている。いしださんは「エクレール お菓子放浪記」、ヴァネッサは「ジュリエットからの手紙」で…

木村大作のDNAだと思いたい!

小栗旬主演の「岳-ガク-」の主人公は山岳救助ボランティアの青年である。これまた漫画を原作とした映画作品で、相変わらず、まずは知名度優先の製作方針は変わらないようだ。ところがこの作品が、通常の漫画映画化作品と決定的に違うところがある。それは漫…

「GANTZ」2本見終わって

ちょうど、二宮和也と松山ケンイチで映画化と情報が出た直後あたりだったろうか、知人が電子書籍の形で漫画「GANTZ」を読んでいて、面白いと教えてもらった。逆に映画になるんだよ、と教えてあげたが、内容は全く知らないままで、先日ようやく全2作を見終わ…

「阪急電車 片道15分の奇跡」は、なぜ面白くないのか?

いかに天下の東宝と言えども、配給する作品がすべてスマッシュヒット以上を記録することは有り得ない。また、なんでこんな企画の配給を引き受けたの?と不思議に思う作品も、たまには登場する。今年もありましたねぇ。「阪急電車 片道15分の奇跡」です。この…

大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」前半のクライマックスでした!

1年間に渡り放送しなければならないNHKの大河ドラマは、時にいささか辛抱を強いる巻がある。そんなに簡単に正月そうそうの初回から年末の最終話まで、一定のクオリティで突っ走ることは出来ないから、全体の話の中で、いわゆる『山場』を迎えるまで、我慢し…

愛しのジェシカ様!

ロバート・デ・ニーロ、ダスティン・ホフマン、バーブラ・ストライサンド、オーウェン・ウィルソン、そして主演のベン・スティラーと役者が揃っているのに、結局劇場公開はされずに、DVDストレートとなってしまった「ミート・ザ・ペアレンツ3」の発売のため…

「もしドラ」のもうひとつの楽しみ方

「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(長いタイトルなので、以下「もしドラ」)はAKB48の前田敦子と峯岸みなみが出演しているのだから、当然のごとくアイドル映画である。実力はあるのに目的意識を失った、高校の野…

街を撮る難しさを知る2本の映画

ソフィア・コッポラが「ロスト・イン・トランスレーション」で東京を舞台にして、TOKYOという街を撮ったことが不思議だったし、よく分からなかった。なんでTOKYO?アメリカのどこぞの街じゃ、ダメなの?と思ったのだった。確かにリドリー・スコットが大阪を…

らくだ工務店「戦争にはいきたくない」を見て

映画だけではなく、TVドラマなんかにも目が効くため、信頼して情報交換している友人K氏に教えてもらった劇団らくだ工務店の、第20回公演「戦争にはいきたくない〜あるネジ工場の景色〜」を下北沢で見る。18回、19回公演と見てきたので、今回が3回目。K氏から…

「人間の条件」という超大作

小林正樹監督作品は「切腹」(リメイクタイトル「一命」はいいけど、何で3Dなのか、は分からん!)、「怪談」「上意討ち 拝領妻始末」、ここからリアルタイムで「いのちぼうにふろう」(大好きです!)「化石」「燃える秋」「東京裁判」と代表作はちゃんと見…