「GANTZ」2本見終わって

ちょうど、二宮和也松山ケンイチで映画化と情報が出た直後あたりだったろうか、知人が電子書籍の形で漫画「GANTZ」を読んでいて、面白いと教えてもらった。逆に映画になるんだよ、と教えてあげたが、内容は全く知らないままで、先日ようやく全2作を見終わった。一言で感想を言えば“日本映画っぽくないねぇ”だった。

更に言うと、結局のところ日本映画の大作SF映画って、ハリウッドのB級映画に当てはまってしまうんだなぁ、と言う感想でもある。ということはアメリカ映画としてリメイクもありなんだろうな。「大日本人」より「GANTZ」の方がリメイクできるでしょ、ハリウッド様!

現在も連載中の原作があるのだから、いろいろな制約があるとは思うけど、やはりGANTZ球って何?とか、そのと登場人物たちとの(特に二宮くん)関わりをちゃんと説明してほしかった気がする。ここは『謎』ではダメでしょ。説明しすぎる日本映画が出会うと、観客の想像力に任せればいいのにと思う時もあるが、この映画は説明しないとダメ!

第1部で言うなら、なぜ、死んだ後に選ばれた人間だけがGANTZの元にやって来るのか?なぜ、GANTZは指令を出すのか?なぜ、街中で星人をやっつけて、街を破壊しても人間は誰一人騒がないのか?それなりにアクション場面があるので、飽きずに見てしまうが、疑問だらけで終わったのだ。その時は、その辺は第2部で明らかになるのか、の期待があった。

そして第2部、これまた何の説明もなく、今度は人間を巻き込んでガンガン殺してしまう。“お前らが先に仕掛けてきたのだろうが!”というヴァンパイア軍団みたいなのは、どこのどなた?でもいかにもハリウッドが喜びそうなソード・アクションで、うまいこと楽しませる。またヴァンパイア軍団の細工で松山ケンイチが二人になってしまう所は、彼の演じ分けが出来る技量を確認出来ますね。

でも、思わず(シリアスなシーンなのに)笑ってしまったのは、吉高由里子が殺されるシーン。ヴァンパイア軍団の日本刀に全ての人間が一刀両断されていたのに、吉高さんは3回も斬られているのに、全然死にません。貴女はゾンビですか?出演された吉高さんには申し訳ないですが、そもそも吉高さんの役って必要なのでしょうか?その殺された後、あのスーツでGANTZ軍団に参加とかいう設定だったら、まだ有りだったのですが…。

まぁ、漫画だからって許してしまえば良いのかもしれませんが、電車の中であれだけ一般人が殺されているのに、捜査に当たるのは山田孝之(刑事だったんだ!でも何にも解決しないのね)たった一人ってどうなのよ!アメコミテイストは評価しますが、そうした社会組織的な目配りがなされていないところは、評価出来ないですな。

2部作とする意味も(最近の2部作もの映画すべてに言えるが)ないではないか。2時間半あってもいいから、しっかりとしたプロットの設定(主役の二人にもっと凝縮)とアクションシーンで構成されていれば、充分にシンプルで面白い出来になったと思うのだが…。ちょっと惜しい!