俳優ドゥエイン・ジョンソンが大好きだ!

何の映画かは忘れたが、子供の乳歯が抜けたら、枕の下に入れておくという外国の風習を聞いたのは、かなり前のことだった。しかし、その歯を1ドルと妖精が交換してくれるというところまでは忘れていた。その妖精のことを“トゥース・フェアリー”というそうな。それをちゃんと映画として教えてくれたのがドウェイン・ジョンソン主演のコメディ「妖精ファイター」だ。

残念ながらドウェイン・ジョンソンの映画は、日本では劇場にかかることはほとんどない。何本かは一応公開になったものの、小さな劇場で短い期間の上映でしかなかった。それはひとえに彼の知名度の無さによるもの。「ハムナプトラ2 黄金のピラミッド」でスクリーンに初登場以来、毎年きちんと出演映画が作られていながら、常に俳優というよりWWEのプロレスラー“ザ・ロック”としての方が有名であり、ゆえに映画ファンより、プロレスファンにしか認知されない状態が続いているのだ。

でも、それは日本だけのこと。アメリカでは彼の作品は2009年の主演作「ウィッチマウンテン/地図から消された山 」(興行収入1億ドル!)を筆頭に、ちゃんとしたビジネスとして成立するバリューがあり、劇場公開週には、毎作品チャートインする人気ぶりだ。「ハムナプトラ2〜」のスピンオフ映画「スコーピオン・キング」(2002)で主演を果たしたが、その時点での見られ方は、やはり自慢の肉体を活かしたアクション俳優でちょっと人気が出るのかなぁ、程度だった。

70年代映画の代表作の1本「ウォーキング・トール」のリメイクである「ワイルドタウン/英雄伝説 」(2004)なんかは、そうしたアクション俳優としての魅力が出た1本だったが、次の「Be Cool/ビー・クール」(2005)で見事なコメディ演技を見せ、驚かせた。そのコメディセンスに目を付けたのがウォルト・ディズニースタジオだ。体は大きくちょっと怖いけど、心は優しい主人公とし、子供と絡ませてのファミリー・ピクチャーもこなせることを証明してしまった。

その作品が、残念ながら未公開に終わってしまった「ゲーム・プラン」(2007)で、NFLのスーパースターが、おませな女の子に振り回されながらも、本当の自分の発見と擬似家族を作り上げるという、アメリカ映画お得意のパターンだ。そのパターンを引き継いで作られたのがウォルデン・メディア&20世紀フォックス製作(「ナルニア国物語」も引き継いでくれてエラい!)の「妖精ファイター」という訳。

なんか未公開の作品のDVD鑑賞はドゥエイン・ジョンソンものばかりだなぁ。結局「妖精〜」も劇場には掛からず、やっとDVDとなった。今回の役どころはプロアイスホッケーの選手。ケガでディフェンスに回ったベテラン選手で、相手プレイヤーにぶつかっていき歯を折ってしまうことから『トゥース・フェアリー』とあだ名が付いた人気者だ。しかし、本当は得点をあげたいと思っているが、素直になれない性格のため、付き合っている彼女の子供(ここでも擬似家族!)の歯が抜けたのを見て、そんな妖精なんていない!と夢を壊そうとする野暮な男。すると彼に妖精の国から召喚状が送られてきて、彼は夢を壊した罰として2週間のトゥース・フェアリーの仕事をしなければならなくなるというお話。

妖精の国の女王はジュリー・アンドリュース、付き合っている彼女はアシュレイ・ジャドとキャストも魅力的だ。ジャドの息子と娘の二人と擬似親子になれるか?息子の自信を持てないエレキギターの、学園での演奏をドラムでバックアップしてあげながら、演奏の成功と自分が試合で1点をあげる約束をするという、お決まりだけど外せない展開が心地よいのである。妖精の変な制服と羽と体の大きさのアンバランスが爆笑ものだ。

でもドゥエイン・ジョンソンもさすがにコメディばかりでOKとは思っていないようで、「ファースター 怒りの銃弾 」で久々のアクション(しかし公開規模が小さく見逃した!)に続いて、日本の公開は秋だが「ワイルド・スピード MEGA MAX 」で又々魅力的なキャラクターを演じているのですよ!公開が近くなったら作品そのものをちゃんと書くが、ドゥエインに関して言えば、「MAX 」も3部作ということなので、次の作品にも絶対出て欲しい役だったことだけ先に言っておきましょう。