「ファイナル・デッド」シリーズはどこまで続くのか?

劇場で見逃していた「ファイナル・デッド・ブリッジ」をDVD発売のための業界試写で見せてもらった。まずビックリしたのが、映画の中身ではなく、ニューラインシネマのロゴである。カッコいいデザインに変わったことに驚いたのでなく、よりワーナーブラザースとの密接な関係を見せるロゴに変わったことに驚いたのだった。どの作品から変更になったのだろう。確かに新作「ニュー・イヤーズ・イブ」も新ロゴだったなぁ。

これは、今後作られるニューライン作品のすべては、ワーナーブラザースが興行からパッケージ発売に至るすべての権利を保有して、その権利は海外でも変わらないという宣言のように映るのだった。そう、ニューラインは、以前はワーナー傘下でありながら、製作後の海外へのセールスに関しては独自に行なっていたため、印象としては『独立プロ』臭があった。

例えば「ロード・オブ・ザ・リング」3部作というニューライン最大の大作は、日本では松竹と(今は無き)ヘラルドの共同買い付けとなっていて、そのため、逆に言うと『ワーナー』臭がなかったのである。その日本との契約期間がある限り、ニューライン=ワーナー作品にはならないようだ。「セブン」などは、ギャガが買い付け、契約期間が終了してワーナー作品としてDVD発売となるというパターンであり、今後はこのパターンでワーナーに戻ってくる(この言い方が正解?)ようだ。

「〜デッド・ブリッジ」公開のタイミングで第1作目の「ファイナル・デスティネーション」も無事ワーナーホームビデオから廉価版が発売となったが、実はこの「ファイナル・デッド」シリーズは、いままで1本たりとも、日本では同じ会社からDVDが出ることがなかったという不思議なシリーズなのである。更に言うと、正統的シリーズでありながら(「沈黙」シリーズあたりとは違うということ)全作すべての邦題が異なるという、チャールズ・ブロンソンの「デス・ウィッシュ」シリーズに次ぐ“快挙”を果たしているのである。

「1」は最初はディズニーから発売、2作目「デッド・コースター」はSPO、3作目「ファイナル・デッド・コースター」は松竹、4作目「ファイナル・デッド・サーキット」はポニー・キャニオンという具合であるが、一般のファンにはどうでもいいことですな。要するにいつでも借りられ、いつでも買えればいいのだ。実はそうした何時でも見たい「ファイナル・デッド」ファンが確実に居るのだ。これはいわゆるホラー好きにも“ゾンビもの”や“ドラキュラ系”の系統があるように“ファイナル・デッド”をこよなく愛するホラーファンもいるのですね。

その“ファイナル・デッド”ファンには、今回の「〜デッド・ブリッジ」はどう映るのだろう。個人的には、見せ場のブリッジ崩壊(この前半で出し尽くした感はあるが)のスペクタクルな殺され方の連続は大いに楽しめ、ラストは『ふ〜ん、最初に戻るのかぁ、それも有りかな?』と思ったが、よくよく考えれば、その最初に戻るパターンは、あの「猿の惑星」シリーズの最終作「最後の猿の惑星」そのものではないか!そうすると、これは「ファイナル・デッド」シリーズに最終作ということになってしまうのだろうか?「ファイナル・デッド」は「猿の惑星」だったのか?

ホラー映画の基本であるアイディア勝負で、スターを使わないため、製作費が抑えられ確実な収入は見込める、このシリーズを天下のニューラインが作らないわけはなかろう。また、その収益がなきゃ、膨大な製作費がかかること確実な「ホビット」にGOサインは出せないでしょ。そう考えると、次のシリーズ6作目のタイトルが読めてきたぞ!

それは「ファイナル・デッド・ジェネシス」!な〜んてね。