忽那汐里に注目!!

カンニングの竹山が主演をした「守護天使」に出ていたことは知っていたが、公開規模を広げられない配給会社の悲しさというやつで、目にすることが出来なかった。中村義洋監督の「ちょんまげぷりん」では、どこに出ていたか分からなかったので、忽那汐里を(もちろんCMですでに認識していたが)ちゃんと見たのは「BECK」からだった。

その時の印象は、CMで見せる天真爛漫な笑顔そのままで、オーストラリア仕込みのネイティブな英語に感心し、帰国子女役がピッタリだったと思った。そしてこの娘は、今後もこうしたキャピキャピの女の子役をこなして行くのかなぁ、と漠然と考えていた。ところが「マイ・バック・ページ」を見て驚いた!全く役柄が異なる影のあるグラビアのモデル役で、キャピキャピ感のかけらもない。ラスト近く、新聞社を去ろうとする妻夫木聡との二人のカットは、巧みな照明と撮影も手伝って名場面となった!

これ1本だけだったら、山下敦弘監督(若い女優を大変上手に使う監督ですからね)にうまく演出してもらったなぁとしか思わなかっただろう。しかし次の出演作「少女たちの羅針盤」(製作はこちらのほうが先?)でも、彼女の役は大人しく、暗い部分を持つ女子高生だ。これで確信した!忽那汐里のあの屈託のない笑顔の裏には、ダークな部分が隠れていて、この2本の映画はそれを必要としたのだ。

4人の女子高生が結成した演劇集団が、一瞬の栄光を掴む瞬間と、その裏に起こった殺人事件がミステリータッチで描かれていくが、忽那の役は一人だけ違う学校に通う娘だ。成海璃子扮する行動力のある女の子に強引に誘われるシーンや、“本当は皆と同じ学校に入りたかったけど、家が乏しくて…”と意を決して告白するシーンの影にある表情が素晴らしい!

こうした役は成海には出来ないし、だからこそ良いコントラストとなって魅力的な登場人物に出来上がっているわけだ。一見すると線が細いかな?と思ってしまうが、どうしてなかなかミステリアスな役まで、今後やってくれそうで期待度大である。
と思ったら、なんと次の仕事は実写版「名探偵コナン」(7月から連続TV放送)での毛利蘭役とのこと。これまた天真爛漫!!アニメでイメージが出来上がっている役をどうやって演じるのだろうか?楽しみである。

きりっとした目鼻立ちを活かして、あと10年したら男を惑わす魅力的な悪女なんて役もやってほしいかも。忽那汐里を、これからも注目していきたい!