日本での公開直前に『ディズニー映画「ジョン・カーター」がギネスブック級の損失!』という報道があった。ひと足早く公開したアメリカでの成績が芳しくなく、製作費が莫大であったため、その回収はまず無理だろうというものだった。マイナス要因を取り上げ…
普段は、映画が公開されてもすぐに見に行くことはぜす、昔で言ったら“そろそろロードショーが終わる頃だ”と、例えば情報誌(これが無くなって困っているのだが)に『〇〇日まで上映』と出てから見に行くことが多かった。しかしシネコンの時代となり、良い映…
サム・ペキンパーは、自分の映画史の中で特別な存在の映画監督だ。リアルタイムで間に合って見たのが「ジュニア・ボナー/華麗なる挑戦」からだが、一番最初のペキンパー体験は「わらの犬」だった。二番館での「卒業」と2本立て、ダスティン・ホフマン特集で…
アニメーションでは、ディズニーが「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」「ラインキング」「美女と野獣」などの旧作(嫌いな言葉だが、適当な文言がないので)を最新技術で3D化してきたが、いよいよ実写映画の旧作3D化の真打とも言うべき「スター・ウォーズ …
3D映画がどうにも好きになれない者にとっては、巨匠マーティン・スコセッシが「ヒューゴの不思議な発明」を3Dで製作したと知った時の驚きと嘆きは相当のものだった。古きよき映画を愛し、映画の褪色を防ごうなどの、いわゆるアーカイブに積極的なスコセッシ…
角川映画のパッケージ販売の営業担当者として接点を持った方が、社内の組織変更で企画制作のような部署に移動になったのは、何年前だったろうか?そのN氏から『今、アニメを作っています』と聞いた時は、角川得意のSF少女系かと思って『オヤジには、関係ない…
「武士の一分」で我々の前に忽然と現れた美人女優、檀れいさん。そのイメージは、映画で見せたままの夫に健気に支える妻というものであった。そして、しばらくはビールのCMでも同じように(加えて、元気で可愛らしい)守られてきた。しかし、ここへ来て彼女…
ロワン・アトキンソンには申し訳ないが、第1作目の「ジョニー・イングリッシュ」は、見ているのだけれど、まったく記憶に残っていない。ロアンのイメージがMrビーンと同化している絶頂の時期だったかもしれないが、結局ビーンがなんかスパイ映画(当然、007…
「アーティスト」の本年度アカデミー賞受賞には驚いた!本命視されていたことは知っていたが、まさか我らのハリウッド村が、フランス人が作った白黒サイレント映画に作品賞も監督賞も、ましてや主演男優賞までもを挙げるとは思わなかったのだ。と、同時に『…
DoCoMoの『応援学割』のCMポスターに登場している全10人のAKB48のメンバーの名前を、なんとか言うことが出来た。そんなビギナーもどきの隠れファンにとって、このドキュメンタリー映画第二弾は、満足のいく出来であった。第一弾でいささか不満だった部分が、…
朝から放送する『生』ではなく、夜の字幕版で久しぶりにアカデミー賞の受賞式をちゃんと見た。年々、授賞式に対してのこだわりというか、思い入れが薄れてきてしまっているのが本当のところ。生放送を見ることは無理だが、どうせ授賞式を見るのだったら、結…
「フライトナイト」のリメイク製作のニュースを聞いた時は“なんで、コレ?”というのと、“おおっ、そうきたか!”の矛盾するようなふたつの感想だった。前者はリメイクするにはあまりにもカルト的な知名度のみで、一般的に今の観客に訴えるものがないだろうと…
キネマ旬報社発行の『映画検定』用テキスト本の“見ておかなけれならない100本”の邦画部門で、ちゃんと選出されている川島雄三監督の「幕末太陽傳」が、日活100周年を記念したデジタル修復版で上映となった。記憶を辿れば、これが3回目の鑑賞となるのだが、今…
予告編を見たときに感じたのが、この映画は高所恐怖症の人にはキツイだろうなぁということだった。シリーズ4作目ともなると、このトム・クルーズの大ヒット作の、見る前の感想もそんなもんなのかと思ってしまったほどだ。それだけ、この映画の『俺様、殿様、…
天下のワーナー・ブラザース作品でありながら、非常に小さな公開規模でしか上映されなかった「ラブ・アゲイン」は、新宿シネマートで上映されていたことは知っていたが、さすがに追いかけきれず、見逃してしまった。パッケージ発売のタイミングで、ディーラ…
2004年の第一作目は昭和33年の東京タワー建設中の街が主人公だった。2作目は日本橋に高速道路が架かる前の風景、そして、この3作目の「ALWAYS 三丁目の夕日64」は、1964年の『東京オリンピック』が開催されている東京が時代設定となった。前2作の時代に対し…
スティーブン・ソダーバーグの「コンティジョン」は見逃したが、この「パーフェクト・センス」もそうだが、ウィルスに襲われた世界を描いた映画が多いという印象がある。たしか「ブラインドネス」とかいう作品もあったよな。しかし、「パーフェクト〜」がユ…
制作発表のニュースを聞いた原作ファンの人たちは、かなり悪い予感がしたそうだ。こちらとしては望月三起也の原作に対し、それほど熱心な読者ではなかったので、正直なところ『今頃になって、映画化してどうするんだろう?』と思った程度だった。よって、キ…
第一次韓流ブームの四天王は、まだ頑張っているが、そうした人気者より、アン・ソンギ、チェ・ミンシク、ソル・ギョングあたりの演技優先の俳優の方に惹かれた。その中で一番はソン・ガンホだった。スターでも、アイドルでもなく、本物の俳優だ。しかし「シ…
大変なことに「ショーン・オブ・ザ・デッド」も「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン」も見ていないで、突然「宇宙人ポール」を見てしまった!なんという不甲斐なさ!最初の2作品の評判を聞いてはいたが、何か好みでない“おバカさん”コメディで『笑え…
山崎豊子原作の「運命の人」がTBSで放送中だが、登場するキャストの面々に眼を見張るばかりである。いつもの名前の『佐橋総理』の北大路欣也から、主人公の新聞記者に、本木雅弘、妻役は松たか子、そして以下は順不同であるが、大森南朋(競い合う他社の記者…
インディペンデント・スタジオが作る人間ドラマで、パターンのひとつに、主人公もしくは親しい人間が死んでゆくというものがある。ニュー・シネマ的にラストは『死』で終わることを神格化して捉え、ハリウッド的なハッピーエンドを否定することが、ステータ…
順調にキャリアを積み重ねている山崎貴監督のデビュー作「ジュブナイル」(2000年)は、その当時、日本映画が一番苦手と言ってもいいジャンルである、SFファンタジーでありながら、違和感のないストーリーと、見事なVFXで新鮮な驚きに満ちた作品だった。「AL…
デビュー作から見ている俳優もしくは監督が、今も、しっかり活躍してくれていると、本当に嬉しくこれからも応援していこうと思ってしまう。海外の監督で言えば、スティーブン・スピルバーグ。旧新宿ピカデリーで見た「激突!」(アメリカではTVムービー)の…
ロバート・アルドリッチの「北国の帝王」を見るまで、世界大恐慌時代の汽車のタダ乗りをする放浪者を“ホーボー”と呼ぶなんて知らなかった。タダ乗り男のリー・マーヴィンと、それを阻止する鬼車掌アーネスト・ボーグナインの壮絶な対決に、見事に男を感じさ…
遅ればせながら、2011年度の個人的な外国映画、日本映画のベスト10を発表したいと思います。キネマ旬報の発表を待っていたら、意外と遅い発表だったのでこの時期になってしまいました。外国映画 日本映画1 「ツリー・オブ・ライフ」 1 「マイ・バック・ペー…
どこかの市長に痛烈に批判された「平清盛」だが、この発言は全く気にしなくていいよ、とNHKに言っておきたい。その市長さんは、普段ドラマとかをちゃんと見ていないのでしょう。画面が汚いっていう発言って、2年前の「龍馬伝」は見ていなかったのでしょうか…
改めて『源氏物語』という題材の映画化って難しいものだなぁ、と思わせたのが今回の角川製作の「源氏物語 千年の謎」である。野球に例えると、決め球の変化球が曲がりすぎてボールになってしまった、というところだろうか。それだけ、この映画はユニークに捻…
矢継ぎ早に新作を発表している園子温監督であるが、その話題の新作「ヒミズ」は後に語るとして、まずは順番に「恋の罪」を確認だ。そもそも、この映画の大きな話題は園監督の新作というより、我らが水野美紀さんが脱いでくれているという話題性の方がオヤジ…
正月に西武線の車内広告を見て知った、池袋西武の別館西武ギャラリー(ここにたどり着くのは容易じゃない!)で開催された「山田洋次監督50周年記念展」に行ってみた。展示は4つに分けられ、①被災地に立つ②撮影所が夢の工場であった時代③劇場(コヤ)が笑い…