2011年度個人的ベスト10発表!

遅ればせながら、2011年度の個人的な外国映画、日本映画のベスト10を発表したいと思います。キネマ旬報の発表を待っていたら、意外と遅い発表だったのでこの時期になってしまいました。

外国映画          日本映画

1 「ツリー・オブ・ライフ」  1 「マイ・バック・ページ
2 「マネーボール」      2 「大鹿村騒動記」
3 「ヒア・アフター」     3 「一枚のハガキ」
4 「ザ・タウン」        4 「奇跡」
5 「トゥルー・グリット」   5 「八日目の蝉」
6 「ゴーストライター」    6 「ステキな金縛り」
7 「英国王のスピーチ」    7 「神様のカルテ
8 「未来を生きる君たちへ」  8 「冷たい熱帯魚
9 「アジョシ」          9 「モテキ
10「ジュリエットからの手紙」 10「うさぎドロップ

といったところです。相変わらず外国映画には苦労します。8本までは候補が出ましたが、加えるあと2本に悩みました。要するに“何を落とさなければならないか”にならないのです。一方、日本映画の方は「まほろ駅前多田便利軒」「探偵はBARにいる」「もしドラ」「監督失格」などが漏れたなぁと言えるものでした。選考の基準というほど、大袈裟なものではないが、役者なり、監督なりが『これを作りたい!』という姿勢が明確な作品を選んでいるんだろうな、と思いますね。

次はキネ旬ばりに、個人賞なども今回は発表してみたい思います。

外国映画監督賞 テレンス・マリック
もう、圧倒的に彼です。ここまで個人として、作りたいものだけにこだわっている作家はいないでしょう。幸福なる時代とされる50年代のアメリカを『完全否定』した凄まじいホームドラマと、人類の起源とを混在にして見せ、久方振りに映画って体感するものだった!と思わせてくれました。キネ旬が、このカンヌで支持された作品を無視したのは不思議な感じです。

日本映画監督賞 新藤兼人
このパワフルな演出って、今年の4月で100歳になる人のものとは到底思えませんよ。戦闘場面が一切ない戦争映画(反戦)では、昨年の「キャタピラー」もそうだったが、もっと新藤監督の凄いところは、その反戦のメッセージを、ユーモアで包んで見せるテクニックだ。

日本映画主演女優賞 井上真央
これってキネ旬とは反対で、永作さんは助演と考えているからです。いわゆる作品の力によって『化けた!』ということかもしれませんが、映画を見た瞬間に井上真央だ、と決めていました。でも華やかな主演女優という意味でいったら「モテキ」の長澤まさみも捨てがたい!!

日本映画主演男優賞 妻夫木聡
昨年の「悪人」での役は、実は賞が取りやすい役だと考えます。それに対し「マイ・バック〜」の役は、大変難しい演技を要求されたものです。ラストの泣き顔に、本当に上手いなぁ心揺さぶられました。その感心は「スマグラー」のような変化球の映画でも感じられるので、他を圧倒しているとしか言いようがないですね。

日本映画助演女優賞 小池栄子
「八日目の蝉」を見た時に“気合が入った時の小池さんは凄い!”と思ってましたが、「神様のカルテ」の加賀まりこが素晴らしく、ずっと加賀さんでいいかな、と思っていましたが「RAILWAYS〜」の三浦友和の娘役の小池さんを見て、やはり小池さん!となりました。主演は合わせ技禁止ですが、助演はOKなのですよ。

日本映画助演男優賞 古舘寛治
普通だったら、でんでんさんか、柄本明さん(短い登場時間だが「アントキノイノチ」で、やはり凄いなぁと感心)というところになるのだろう。しかし、山下敦弘監督の他の作品にすでに出ていたのに、全く記憶に残っていなかった古舘さんは「マイ・バック〜」の先輩記者で強烈な印象を残し、この映画を下支えしたのでした。こちらの不勉強を恥じるしかない、キャリアのある俳優さんだったのですね(恥!)

という主要6部門の選出でした。

また、2010年には頻繁に通えた名画座も、2011年は残念ながら思ったほど行けず、旧作観賞の大きなトピックは、銀座シネパトスの特集上映で、遂に「人間の条件」全6部観賞ということぐらいだ。『午前十時の映画祭』は「大いなる西部」と「ハスラー」のみ。3年目も開催してくれるということなので、もう少し見なければと思いつつ、次の50本を選べない事に“怒”なのだ!