檀れいさん、その変化はどうしたんですか?

「武士の一分」で我々の前に忽然と現れた美人女優、檀れいさん。そのイメージは、映画で見せたままの夫に健気に支える妻というものであった。そして、しばらくはビールのCMでも同じように(加えて、元気で可愛らしい)守られてきた。しかし、ここへ来て彼女の意思によって(と信じたい!)、大胆にイメージチェンジが図られれいるようだ。最近の彼女の役柄を見る限り、そうとしか思えないのだ。もちろん、それが嫌というものではなく、絶賛しているのですよ!

今年のNHK大河ドラマ平清盛」の中で演じた待賢門院璋子には驚かされた。そもそも、こんなにラブシーンが多い大河ドラマも珍しいが、伊東四朗演じる白河法皇との愛欲シーンからして、壇さんのイメージではなかったので、ビックリさせられた。それ以上にビックリだったのが(登場時間は少ないが)「逆転裁判」の壇さんだった。何が驚いたかって言えば、それは美脚とミニスカですよ!前半で、成宮寛貴君扮する主人公の成歩堂弁護士に関わる上司の役なのだが、まず濃いめの化粧に最初は誰だか分からなかったほどだ。

この作品がゲームの映画化ということもあるが、出演者が全てが扮装をさせられて、キャラクターを演じているのだ。これは三池崇史監督が「忍たま乱太郎」でも採用した手法だ。その中にあって檀さんの役は女弁護士ということもあって、タイトなミニスカートで美脚を見せてくれ、こちらの眼を釘付けにしたのだった。ところが、残念ながら三池監督は女にはトント興味がない監督なので、もっと檀さんの美脚のアップだとかを見せて欲しいとこちらが思っても、そこはスルーして彼女の登場場面を終えてしまうのだった。

三池監督のフィルモグラフィーを見渡せば、女優が生かされていたと思えるのは「ヤッターマン」の深田恭子ぐらいで、あとは女優というより、女のキャラクターを必要としているだけというのがよく分かる。この「逆転裁判」の中でもアフロヘアの谷村美月が強く印象に残るが、それはキャラクターを面白く描けただけで、決して女優の魅力を必要とはしていないのだ。それが一番分かりやすい例として「クローズZERO」の中で、黒木メイサが演じたキャラが、一瞬「ストリート・オブ・ファイヤー」のエレイン・エイムにするのか?と思ったが結局何にも起きなかった事をあげよう。

個人的には「忍たま乱太郎」がまったく受け付けられないのに対して、同じ全員扮装映画のこの「逆転裁判」は意外やすんなりと受け付けられたのだった。それは、おそらく映画の冒頭での檀さんのタイトスカートを見た瞬間に、『あぁ、これはゲームキャラのオンパレードなんだ!』と認識したからだというのは言い過ぎだろうか?

それにしても檀さんである。40歳の女盛り、本当に美しい。そして最近の妖しさは何なんだ!前半の「平清盛」の面白さの一因は、檀さん演じる待賢門院璋子の『無垢なる悪女』ぶりのお陰だぞ!WOWOWで放映されたミステリードラマ「造花の蜜」でも魅力的な悪女を演じていたようだ。残念ながら見逃したので6月に出るDVDが楽しみでしょうがない!