「映画けいおん!」にチャレンジしたものの…

予告編を見たのは3〜4ヵ月も前のことだろうか、TVシリーズのDVDが売れていることこあって、その絵のタッチを全く知らないわけではなく、“映画になったら見てもいいかな?”と思って見ていた。予告編から受ける印象は、今どきの高校生の女子のピュアな青春物語で、オヤジが見ても楽しめるんじゃなかろうか、と思わせた。そもそもアニメでジブリ、ディズニー以外で、こんなオヤジが見ても楽しめる作品はそうない。

2011年に見たジブリ、ディズニー以外のアニメ作品は、「イリュージョニスト」「メアリー&マック」(クレイだけど)、毎年の「クレヨンしんちゃん」と「名探偵コナン」、他は「カンフーパンダ2」「劇場版 鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の 聖なる星」「ランゴ」(これはアニメというより『マカロニ・ウエスタン』として楽しむ)「タンタンの冒険」だけである。いわゆる日本のアニメの『萌え系』を中心とした、若者向け作品はスルーであった。「とある飛空士への追憶」を見逃したのが、くれぐれも残念!

という訳で「映画けいおん!」を見てみた。オヤジの頑張ったチャレンジであったが、やはりダメだった。この世界にはついて行けないというのが素直な感想である。TVシリーズも原作も知らないんじゃ、面白くなくて当然という意見もあるだろう。しかし、それらを知らない観客をも楽しませるのが、TVものの劇場版だと思っている。女子高校生たちの日常を描くのが「けいおん!」だとしたら、その日常にあまりにも物語がなさすぎるではないか。

話が卒業旅行となり、突然みんなでロンドンへ行こう!ってなんなのだろう。全員の親みんな金持ちなんだ!としか思えない。ここの非現実的な部分にびっくりするが、そもそも、この旅行のエピソードそのものが必要?と感じる。一方、卒業する前に後輩に歌を贈ろうとするエピソードは良い。要するに日常を描くのだったら、後半の先輩4人の曲作りも含めた、卒業まで日々を描くだけで充分なのだ。だから最後の15分は楽しめたし、ホロッと来る青春映画だと思うが、あとの世界観はついて行けないという結果であった。

おそらく、これを実写化した方が、オヤジには受け入れられるだろう。凡庸かもしれないが「花とアリス」「ハルフウェイ」の印象から『岩井俊二系』の監督に、、少女たちの日常を描いてもらえれば、おそらくニヤニヤして見てしまうかもしれない。でもアニメファンからは総スカンを食うんだろうなぁ。あのユルい『放課後ティータイム』は、アニメにしか出来ないからというのも分かるのだが…。

やはり、中々オヤジにしっくりくるアニメがないんだな、と結構ガックリきていたところに、角川映画から「ももへの手紙」が出来上がりました!と一報が入った。映画館でポスターを見た瞬間に『これだったらオヤジも大丈夫なアニメっぽいぞ!』と思っていた作品だ。角川の関係者からも、オヤジ大丈夫です、とメールをもらったので楽しみにしているのだ。

「もも〜」だけでなく、今年も見られそうな日本のアニメがあったら、なんとかチャレンジしてみようかなと思っているのだが、どんな1年になることやら…。