相変わらずのニコラス・ケイジを堪能!

月の輝く夜に」「赤ちゃん泥棒」のどちらかだろうか?ニコラス・ケイジを初めてちゃんと見たのは?共に1984年の作品ですよ。その時共演していたシェールも変わらないが、ニコラスもおツム以外は変わらないなぁ、といつも感心して見ている。その途切れない仕事の数々は、いささかメジャー・スタジオと縁遠くなった感もあるが、相変わらずエネルギッシュ。そして、どんな役をやろうとニコラス節は不変なのもイイのだ。

ドライブ・アングリー」は見られそうもないが、もう一つの新作「デビル・クエスト」は見た。評判は「ドライブ〜」の方が良いようだが、この「デビル〜」のようなBテイストの14世紀の中世ものも悪くない。更に御贔屓のロン・パールマンヘルボーイ!)が共演と来りゃ、点も甘くなるってもんだ。十字軍の英雄とその相棒というバディ・ムービーの要素もあり、気軽に楽しめてしまう。

十字軍の大遠征においての命令は教会が絶対であり、神への冒涜と教会が判断すれば、女子供でも容赦なく殺さねばならないことに疑問を感じた、英雄ベイメンと相棒のフェルソンは、勝手に軍を離れる。いわゆる脱走兵となり捕まるが、枢機卿から蔓延しているペストを止めるために、捕まえた魔女を遠方の修道院へ護送すれば許すと言われ、その仕事を引き受ける。

原題の「SEASON OF THE WITCH」(魔女の季節)が示すように、この時代の疫病の蔓延は魔女の呪いが元凶とされていた。そして魔女、悪魔など、神に対する邪悪なものを具体的に信じていた時代だ。やがて二人は、神父と騎士と戦士になりたい若者と、案内役の詐欺師という6人で捕らえた魔女を修道院に送りべく旅に出るのであった。ここで今度は邦題の「〜クエスト」となるのだった。

そう、これは目的地へ向かって旅をする過程で、様々なトラブルに見舞われながら進むという、ロールプレイングゲームを設定とした映画だったのです。ここら辺を「ロード・オブ・ザ・リング」を較べてしまい激怒しなければ、結構面白い。捕まえた魔女は本当に魔女なのか?その呪いのようなものも垣間見える場面もあり、ミステリーの要素もある。

そんな中、メイベンだけは、彼女を魔女と恐れず、公平な魔女裁判をさせると約束する。その表情がいつものニック・ケイジなのですね。良く言えば『優しい眼差し』、悪く言えば『情けない目付き』なのですな。その瞳が濁ってアル中になったのが「リービング・ラスベガス」(リーチ一発のオスカー!)で、それは「ナショナル・トレジャー」のベン・ゲイツ役でも一緒というのが、いつものニック節という訳です。

なんとか修道院に到着して、彼女は魔女ではなく、デビルに取り憑かれていただけと分かり、最後はこのデビルとメイベン&フェルソンの対決となり、二人は戦士になりたかった若者に後を託し、デビルを退治しながら、壮絶に散っていくのだった。この最後のデビル登場も許せないと、ダメでしょうが…。

監督はニックとは「60セカンド」でコンビを組んだことのあるドミニク・セナ。でも実は「60セカンド」見ていないのですよ。アンジェリーナなのに!まぁ「ソード・フィッシュ」は面白かったので、もっと仕事が出来る監督だと思うのですがねぇ。

とにかく、ニックは80年代半ばから、90年代、2000年代、そして2010年代まで、こうして出演作が続いて登場している凄い俳優だということだ。他にもメル・ギブソンが「復讐捜査線」で、ハリソン・フォードが「カウボーイ&エイリアン」でそれぞれ、まだまだ元気なところを見せてくれていたが、ニックの比じゃないのである!そもそも年齢が違うと言えばそうなのだが、50歳前のニックにはまだまだ頑張って欲しいですねぇ。