大政絢と染谷将太

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」はライトノベルの映画化ということだ。そもそもライトノベルってなんなんだ?手軽に読める若者向け小説のこと?ケータイ小説との違いは、紙かモバイルかの差だけ?よくわからん!そのままの軽小説ということであれば、角川文庫が出していた片岡義男赤川次郎の小説もライトノベルって言っていいの?

まぁ、どこから題材とっても面白ければいい、そして映画としての構成力がちゃんとあれば、さらに良い。予告編をチラッと見たとき、この「嘘つき〜」はそのちょっと変わった面白さがありそうだと思った映画だった。“嘘だけど!”と画面に向かって言って見せる手法に新しさを感じたし、壊れたまーちゃんの壊れ具合で「猟奇的な彼女」っぽいタッチにもなるんじゃないかと期待したのだった。

結論から言うと、その期待は裏切られミステリーとしても青春&恋愛映画としても、中途半端に終わってしまっていた。一番の問題点は、二人の過去の誘拐事件と現在の事件と、そのミステリーの要素の描かれるトーンがバラバラな部分だ。過去の誘拐事件に端を発している二人の精神状態なのに、今があまりにもノー天気。そしてまーちゃんの豪華な一人暮らしと、その精神状態がゆえの誘拐事件のユルすぎる件が、あまりにもお粗末である。田畑智子扮する刑事もユルいし、精神科医鈴木京香もROCKなTシャツばかり目立って、それでいいの?って感じだ。

これは原作がどうのというより、映画そのものの構成力の無さから来ている欠点だなぁ。よって“嘘だけど!”のフレーズが段々鼻に付いてきて、後半は“はい、はい嘘なのね”っと突っ込んでしまうほど。ところが、なんとかちゃんと最後まで見られてしまったのである。その要因は主演の二人、大政絢染谷将太の魅力に尽きるのだった。

若き日の柴崎コウを思わす(スターダストだからでしょうか)きりっとした目鼻立ちの大政は、魅力的な女子高生であるまーちゃん(壊れている部分が見えないとき)のシーンにドキッとさせてくれる。本当は壊れた部分のまーちゃんのシーンで脱いでくれたりしたら(事務所的にダメか?)、満点だったのに。

現在放送中の大河ドラマ「江」にも出演して知る染谷は、ケータイの学割のCMにも出てるので、けっこう知られていると思うが、今後が非常に楽しみな若手俳優だな。出てきた頃の山田孝之とイメージがかぶるが、どうせかぶるんのだったら、山田が「クローズZERO」で見せたように、しっかりアクションも出来るところを見せて欲しいぞ!