「RED」は元気のでるオヤジ活劇!

CIA側の若造役のカール・アーバンを除くと、この映画に主要キャストの平均年齢は何歳になるんだ?と思わずにはおれないのが「RED」だ。一番若いメアリー・ルイーズ・パーカーで47歳(「フライド・グリーン・トマト」ではホントに可愛かった)で、他に主役のブルース・ウィリスモーガン・フリーマンジョン・マルコヴィッチヘレン・ミレンとひとつ間違うとお爺さんとお婆さんの映画なのだ。

しかし、もっと本編見て嬉しかったのは、胡散臭いロシア人を演じさせたら絶品のブライアン・コックス(「ボーン」シリーズで知られてますかね)も出ているし、もっと大御所のリチャーズ・ドレイファスが楽しそうに悪役演じているし、もっと大先輩のアーネスト・ボーグナインまで出演している事。実はこの映画モーガン、ヘレン、ドレイファス、ボーグナインと4人ものオスカー俳優出演の超豪華な映画だったのですよ!

元CAI凄腕エージェントのフランク(ウィリス)が突然命を狙われる羽目になり、壮年の恋との言えるメアリーと一緒に逃亡後、昔の仲間を集結させ、命を狙ってきた組織に逆襲を仕掛けるという単純明解爽快オヤジ活劇だ。肉体系のアクションはブルース担当、ガンアクションはヘレンとマルコヴィッチという具合だ。特に伝説的スパイでありながら、過去の後遺症でいつもトリップ状態のマルコヴィッチが笑えるったらない。

84年作「プレイス・イン・ザ・ハート」で初めて見たジョン・マルコヴィッチの衝撃は忘れられない。盲目の青年が主人公の女性(サリー・フィールド)を訪ねてくる場面からもう釘付けであった。これでオスカー助演男優ノミネートとなったが、受賞させてあげたかったぞ。「シークレット・サービス」の襲撃犯とか「コン・エアー」の凶悪な囚人役などが強い印象を残してきたので、「チェンジリング」で良い役をやっても、最後に一捻りあるんじゃないかと疑ってしまうほどだ。

映画の最初のロゴマークにDCコミックと出るので『?』と思ったが原作がグラフィックノベルというやつなのね。だからアメリカの各地を転々とする展開となり、その場面の前にページをめくるようなカットを入れているのですねと納得。でもグラフィックノベルって若者向けじゃないの?こんな年配登場人物ものでもアリなのでしょうか?

日本映画と決定的に違うのは50〜60歳代でこうした活劇が作ることが出来るという懐の深さだろう。昨年の「エクスペンタブルズ」のようなモノは無理としても、この位の活劇だったら日本でも作っても良いのではないか。今一度真田広之、吉川晃司あたりに頑張って、もう少し若い年齢の奴を加えてもいいから、やってくれませんか!

ああ、ハリウッドが羨ましいですよねぇ…