「イップ・マン 序章」が見たい!!

何にも知らないで「イップ・マン 葉問」を見る。何にも知らないと言ったのは、この映画が二部作で、その後編に当たることと、前編である「イップ・マン 序章」は新宿武蔵野館の興行で観客動員が5,000人越えれば無事公開されるといった事情を知らなかったという意味で、イップ・マンがブルース・リーの師匠にあたる人だったという事は知っていた。

なんで、『2』からの公開なの?やはり『1』は太平洋戦争時下で、日本人が悪役となっている(池内博之が日本人軍人役で出演のようですね)というナーバスなお話だから?でもそれってとっくにブルース・リーの「ドラゴン怒りの鉄拳」で描かれたことでしょ、もう気にしなくていいのでは?やはりお話の最初から見たかったですな。だって冒頭突然、一家は香港に暮らし、イップマンは武道を教えて生計を立てようとしたっていう展開に『えっ』なんなのそのすっ飛ばし方って知らなかったら思うでしょ。

そして『1』が日本人が悪役なら、この『2』の悪役はイギリス人。1950年代、香港が英国領であった時代が物語の舞台で、イギリスのボクシングの世界チャンピオンとイップマンの試合がクライマックス。その前に道場を開き、弟子を取りたいと思っていたイップマンが地元の道場主達と対立するエピソードがあり、その道場主の元締めがサモ・ハン。いやぁ〜、久し振りにサモ・ハンを見たけど、元気そうで何よりですね。

高校生の時、友達に無理やり誘われていった「燃えよドラゴン」(もちろん初封切り)の序盤で、ブルース・リーの相手をするおデブちゃんを見たときのことが忘れられない。“こいつ太ってるのに凄い動けるじゃん!誰?”と驚いたものだ。それが若き日のサモ・ハン。そして今、ブルース・リーの後継者と呼ばれるドニー・イェンと元気に共演している彼を見て誰が喜ばずにいられようか。

そこでドニー・イェンだ。最初にちゃんと認識したのは、やはり「HERO」だろう。しかし、ブルース・リーマニアの友人がいたもんだから、名前だけは「ドラゴン危機一髪97」(だったと思う)のビデオ化の頃から吹き込まれて知っていた。まぁ、誰が見ても、この「イップマン」2作が彼の代表作になるのであろう。今年は「孫文の義士団」というのも公開されるので、ちょっとしたドニー・イェンブームになるのか?同じ1963年生まれのジェット・リーが「エクスペンダブルズ」を見て“老けたなぁ”と感じたのに、ドニーは元気いっぱいだ!

物語は対立していたサモ・ハンと、お互い認めあったのもつかの間、イギリス人チャンプと先に試合をしたサモ・ハンがリング上で殺されてしまう。再戦の話が出て、遂にイップマンが立ち上がる。激闘の果てにイップマンは勝つが、リング上で『同じ人間じゃないか、争いは良くない』(的な)と話をする。そうです、みんな分かりますね、これって「ロッキー4」ですね。
なんたって試合前に子供が生まれそうなイップマンの奥さんが“勝って!”とやるのだ。そりゃ、エイドリアンの台詞でしょうが!

と、いろいろと楽しめて「イップマン」は面白い!なんとか観客動員が5000人に達して「序章」が見られますように…