やっぱり「相棒」面白い!

毎週の連続放送での「相棒」は時間的にに見ることは難しいので、あんまり見てはいないが、1月1日放送の『元旦スペシャル版』は見るようにしている(昨年もちゃんと見た)。好きな映画監督の一人でもあった和泉聖治がちゃんとした職人業を見せてくれるのが嬉しく、TVであっても本編(映画版)となんら変わらないクオリティの高さを堪能出来るのだ。

また、今回は古沢良太の担当脚本で、見事な構成力を見せ、改めて「相棒」ってなんて面白いんだって思わせてくれましたな。とっとと映画版PART2も見にいなねば!

「相棒」の魅力は、もちろん杉下右京というキャラクターの存在もあるが、決してそれだけではない、ということを今回再確認した。いわゆる「刑事コロンボ」パターンで、先に犯人を分からせておいての、解決へ向かう展開の妙が基本となっているが、その犯人像とその裏にある『人生』にしっかりとフォーカスを当てることがなにより上手いのが「相棒」ということ。それが今回のスペシャル版では“犯人”“被害者”“罪を擦り付けられる男”の3つの人生が交錯するからよけいに引き込まれた。

この裏側がきっちり描けていることで、事件に至る人生と、単なる犯人逮捕で事件解決と簡単に終わらない、その後の人生までもが描かれて終わるのだ。この部分が弱いと動機、事件、逮捕、解決と言う簡単な図式になってしまうが「相棒」はそこが複雑化しているので面白いという訳だ。

よって、特に今回は水谷豊の出番は少なく、中心人物は南果歩扮する犯人となっている。まぁ〜、やっぱり名匠、小栗康平に見出された女優さんだったんだよねぇ、果歩さん!ここのところどうしても世界のKEN WATANABEの奥さんのイメージの露出しかなかったので、久し振りの女優魂みせていただきました。うまいわぁ、被害者の奥さんに囁く場面の呼吸見事ですな。

でも最後に一ヶ所だけ『?』の場面は被害者の奥さんが、手錠を持って出てくるところ。もし右京さんの車から持ち出しているのだとしたら(たぶんそのカットありですよね)、天下の杉下右京にしてはあまりにもお粗末じゃなかろうか。犯人逮捕に向かうのに手錠を車のなかに置き忘れるなんて。

それが神戸尊のミスとするなら(今回の強引な捜査でミスりましたよね)、そこの部分だけは亀山薫のほうがちゃんとしてないですか?って思ってしまいました。

なんてちょっとした文句をつけたところで「相棒」の世界観に惚れ込んでいるのは変わりなく、2011年の1本目の映画は「相棒劇場版Ⅱ」ということにしましょう。