面白く見たいのだけれど・・・

セックス・アンド・ザ・シティ」シリーズに負けず劣らず「トワイライト」シリーズも女子には人気がありますなぁ。世代的には「SATC」より低めなティーン中心の客層のハートを掴んでいるようだが、それはアメリカでのことであり、日本ではいささかパワー不足のようだ。実際、興行成績で見ればアメリカは楽に1億ドルをたたき出しているのに、日本は7〜8億といったところ。

アメリカでなぜそんなに人気があるのかを探るより、なぜ日本で人気爆発とならないかをさぐる方が簡単。ヴァンパイアの青年と女子高生との禁断の恋が切なさ満載で描かれているようだが(見ていてもちっともその感触がないんだけど…)、そんな切ないラブストーリーだったら、どれだけ日本がもっと面白い作品作っているか観客は分かっているのですよ。そしてそれが最も日本人の感性に合うのですね。どれだけこのシリーズより日本の「ハナミズキ」のほうが切ないかってことです。

シリーズも3作目となり、もうすぐ「エクリプス」というタイトルで公開予定だが、この3作目にしても、どういうふうに理解すれば面白く見れるかとチャレンジすれどもやはりダメ。“女子でないと、この面白さは、わかんないでしょ”という意見があれど本当にそうかぁ?映画自体の作劇術に問題があるんじゃないかい、という部分が多いぞ!女子はそこのところどうでもいいんかい?!

まず、原作のエピソードを極力盛り込みたいのだろうが、このお話に2時間半近くの尺は必要なのか?三角関係になってからの前作の流れでのダラダラ感は相変わらずに加え、突然今回になって初めてサブキャラの過去のエピソードが語られ、話が脇に逸れていく。今回は新種のヴァンパイアが襲ってくるのを、敵対する吸血族と人狼族が争いを一時やめて、新種と戦うというアクション部分がクライマックスなのだから、そこへの一直線の展開に持っていけばシンプルに出来上がるだろうに、と思ってしまうのは単なる映画オヤジの戯言なのだろうか?

「ニュームーン」の時の人狼が、いささかCG技術がこれでいいのか?と思ったほど気になったが、今回はバランスよくカッコよく出来ていて。そこは感心。あとはクリスティン・スチュワートは相変わらずの『変な』ヒロインぶりだが、今回は恋人エドワードの妹のアリスがさらに可愛くなっていて、よろしい。金髪ではない、これだけの黒髪短髪で魅力的なのも珍しい。

それと普通に見ていたら、人狼族の『誰と誰が〜』とかの名前を台詞のみで言われても原作ファンでしか分からないでしょう。いつから映画は(日本のTVドラマの映画化もそうだが)キャラクターを知っている人だけ付いておいで、の作り方になったのだろうか?本来は、この「エクリプス」から見ても全体やキャラクターが分かる作りでなけりゃダメでしょ。

と結局は映画オヤジの、女子映画には付いていけない愚痴となるのであった。