リメイクしたいだろうなぁ

今週の『午前十時からの映画祭』は「ミクロの決死圏」だ。選出されている50本がほぼほぼ「スターウォーズ」以前なので、SF映画が実は少なく、これと「2001年宇宙の旅」ぐらいかな?スクリーンで見ていない1本だったので駆けつける。お話のバックには東西冷戦の時代のスパイ合戦があり、究極の軍事兵器である物体のミクロ化の機密情報の奪い合いという設定だ。

そのミクロ化を60分以上に出来る秘密を握った人物が敵側スパイに襲われ、脳内に損傷を受けてしまう。アメリカ側はその患者を体内から救うべく、軍人と医者あわせて5名をミクロ化して体内に送り込むという奇想天外なSFだ。80年代にはデニス・クェイド、マーティン・ショートメグ・ライアンで(これってリメイクじゃないよね)インスパイアされた「インナー・スペース」が作られるほど、影響力を持った映画だ。

見どころは人間の体内の(血液に流されながら見る)様子だ。赤血球だとか、抗体だとかも潜水艇を侵入者として認識してしまえば襲ってくるという人間本来の免疫が敵となってくるのだ。肺の中、耳の中など特撮映画ならではの描写だ。

しかし、当時の技術では、この特撮が精一杯なのだろうが、今のテクノロジー感覚で見てしまうとやはり画面は貧弱な特撮と映ってしまう(それを否定的には思わないが)。そこでリメイク好きのハリウッドはこの「ミクロ〜」を是非リメイクしたいと考えているらしい。製作GOのニュースをどこかで聞いたよな。現在の特撮技術ならどれだけの体内の造形を見せてくれるか楽しみだが、その技術でも描けないのがこの映画の唯一の女優ラクェル・ウェルチの魅力でしょう。

実はSF映画における(近未来などの)女優の衣装ほどそそるものはないのだ。「来るべき世界」(だっけかなぁ記憶が曖昧であるが)などの未来の女性の超ミニスカートに男の子だったら目を奪われているはずだよね。そこを描けなったジョージ・ルーカスは健全なのか、照れ屋なのか不満なところ。

このラクェルの見事なバディを包む潜水服とその胸の谷間は、
映画のもうひとつの大きな見所だ。たしかに「ベン・ハー」のメッサラ役で大好きなスティーブン・ボイドや「大脱走」が代表作(でいいんだよな)のドナルド・プレザンスなど男優陣も魅力的だが、彼女には適わない。内耳に進入した潜水艇で、その外に出た彼女に襲いかかる抗体、その潜水服にとりつき彼女を締め付ける危機一髪の場面はハラハラドキドキだった。

この映画のリメイクを今のハリウッドが作るとしたら、この部分を無視して作ったらかなり顰蹙かうだろうな。そしてこのカーラ役のキャスティングは身長にやってもらわねば、一昔前だったらゼタ=ジョーンズだったんだろうなぁ…