岡田将生と生田斗真

5月に「告白」、7月に「瞬またたき」と「悪人」と立て続けに見たら『なんか岡田将生ばっかり見ているなぁ』と思わずにはいられなかった。また今年になって「人間失格」「シーサイドモーテル」「ハナミズキ」の3本で生田斗真を見て感心してしまった。

と言うわけであんまり女優ばかりもなんなんで、今日は男優、それも若い人にスポットをあてましょう。まずは、映画だけでなく、TV&CMに大活躍の岡田将生クン。

最初に見たのは「天然コケッコー」のイケメンさんだろう(「アヒルと鴨〜」と見る順番が出演順と逆になった)。都会から来た少年と田舎の女の子の対比がうまくはまっていたと好感を持つ。ちゃんと映画にこだわりを持ってくれているようで(スターダストだから当然かな)、その後は(見た順)「ハルフウェイ」(ここで単館映画好きの女の子あたりに認知される)、「ホノカアボーイ」「重力ピエロ」「僕の初恋をキミに捧ぐ」で上記の3本と続く。

主演作という意味では実は「ホノカア〜」しかなく、すべて誰々の相手役となっている。夏帆、きい、加瀬君、真央、北川景子という面々だ。「告白」「悪人」はそれぞれの監督の映画に参加している(この脇での演技は抜群に光っているが)という感じだ。

本気で(失礼を承知で)映画やってるなぁ、と思ったのは「重力ピエロ」から。この屈折した青年像は見事で、さらに美しい!しかし基本は加瀬君の映画。演技面でさらに目を見張ったのは(若者向けの難病ものと軽い気持ちで見たいたから)「僕の初恋〜」の誰もいない病院の階段で泣き崩れる場面。ここからこの映画が締まったよ!

「悪人」の中での悪人っぷりが今までのイメージを覆す見事さ!もちろん映画が凄いのだが、その映画に参加出来る位置にいる、彼の映画界の中でのポジションもいいと言えるのだね。ただ「瞬」のような完全に女優の相手役に終始してしまうと危険だよなぁ、と思う。まだ本当の意味での1本背負った主演作がないのだから、変に相手役御用達にはならないように、と思う。新作は時代劇「雷桜」、相手役は不足はない蒼井優。さらに真価が問われるが、人気ばかりでなく作品の質が伴う役者だと思うので、期待するのです。

一方、生田君は突然主演作(映画キャリアは)からスタート。芸歴がそんなに古いとは知らなんだ。うちの奥さんなんて昔からTVで見ていたようで『あんなに子供だったのにねぇ』と言う。他に例があるかわからないが、役者オンリーのジャニーズ所属って珍しいのでしょ。「人間失格」は主演ではあるが、大勢の女優陣の中心にいてサマになる若き俳優でなければならなかったから、そこが出来ていた!

「シーサイド〜」を見ていると、この子、コメディも出来る、もっとコメディで魅せてくれ!と思ってしまった。そしてガッキーを見ようと試写に行ったのに、映画見終わったら『斗真クン、いいじゃないか!』となってしまった。なんと自然な北海道の漁師なんだろうと思ってたら、出身が北海道で納得でした。もちろん主演はガッキーなんだけど、すごくキチンと受け止めている側になっているね。

監督の手腕もあるので、この「ハナミズキ」は若い観客へのアピールがちゃんと出来ればヒットするんじゃないかな?生田斗真とガッキーが、電車の中で喧嘩して駅を降りてから仲直りするまでの場面はいいねぇ。新作は「源氏物語」とのこと。岡田君ともども若い役者に時代劇をやってもらうのは大変良いことなんで、頑張ってほしい。

まずは、ふたりの目標になるべき役者は「悪人」における妻夫木クンだろう。いわゆるひと世代上は妻夫木、小栗、松田兄弟、小出あたりがひしめいている。日本映画をさらに若い世代に受け入れてもらうために二人にかかる期待は大きいですな。