伝説のGS映画!

何度か見られる機会があったのだが、「進め!ジャガーズ敵前上陸」は結局本日が初見となってしまった。68年の映画が比較的見られる機会があったのは、この映画がいろんな切り口で語られて取り上げられていた証拠だろう。

脚本が前田陽一と共に中原弓彦(現、小林信彦氏ですね)がクレジットされていることで、ある種の伝説とのなっている小説家が脚本に加わっている切り口、もちろんGS映画としての切り口、またてんぷくトリオ三遊亭円楽が出ている芸人コメディ映画(もう伊東四朗しかいない)としての切り口などなどだ。

想像以上に楽しくバラエティ映画とはこれでしょう、の面白さにニッコリなのであった。GS映画の発祥は当然ビートルズの「ヤア、ヤア、ヤア」ありきだろうから最初はそうした緩いGS映画でジャガーズにおんぶに抱っこかと思ったら、すぐに007のパロディとなり『007のパロディになると、こうも「オースティン・パワーズ」に似ていくのか、マイク・マイヤーズこの映画見てんじゃない?』と思わせる。

と思いきや夢の場面では当時のキワモノ西部劇マカロニウエスタン夕陽のガンマン」のパロディ場面となる。「第三の男」の台詞の引用から、ロミオとジュリエットまでとテンポ良くギャグとパロディが展開される。

実写を交えた映像からついに硫黄島での日本兵登場で(ここは前田監督の戦争への思いだろう)横井さんや小野田さんを予見してみせる。圧巻はその戦争終了を知らない日本兵に、戦後の復興から昭和元禄と言われている68年当時の日本の23年の歴史を実写で一気に見せきったしまった場面だ。

女優陣は中村晃子と尾崎奈々でともに60年代の女の子の可愛らしさだ。中村の名曲「虹色の湖」は良いねぇ。それ以上にジャガーズの「若さゆえ」をはじめ、数々の歌がどれもよろしい。

GSは小学校低学年でブルーコメッツがカッコいいと思ってから、ブルコメNO1、次がタイガーズ、次がスパイダーズ、そしてビレッジシンガーズだったのでジャガーズは思い入れはなしだった。ボーカルで主役の岡本信は今で言ったら錦戸亮タイプで今でも通用する男前。

そう、この映画はびっくりするほど古びていない、今でも充分ファッショナブルで通用するのである。そこが語り継がれている所以なのだろうと、ようやく認識できた次第である。やはり映画は見てみなきゃ、なにも始まらないんだよね。