イラク物って難しいのかなぁ
多分、日本の観客には分かりづらいと思ったのだろう「グリーン・ゾーン」の映画の始まる前に(始まるとは映画会社のロゴの前と言う意味)イラク戦争開始にまつわる『大量破壊兵器』云々〜、が出る。
たとえ「ハートロッカー」がオスカー獲っても、作品としては認められるものの興行成績はどうなのか、となるとイラク物は当たらないというのが定説であろう。それだけブッシュが起こした『あの戦争』はあんまり思い出したくない、が一般アメリカ国民の素直な感情なのだろうか。
しかし「グリーン・ゾーン」はあくまでマット・デイモン主演のエンタテインメントだ。監督も同じということでジェイソン・ボーンが大量破壊兵器のありかを探っていくと言う感覚ですね。
そうは言ってもまるごとジェイソンも出来ないので『カッコいいしわがれ声』にしてなかなかマットがカッコいい!これほどのアクションスターに成長するとは「グッド・ウィル・ハンティング」で見たとき誰が予想しただろうか?
「オーシャンズ11」でご一行で来日、記者会見をしたときのマットはジョージとブラッドに弄られっ放しで苦笑してばかりだったけど、そこにハリウッドの仲間意識と上下関係を見た気がしましたね。
だから、この映画もイラクという難しい見方を全くしないでいったい誰が裏で操っているのだというミステリーを楽しめばよろしいのですよ。ただマットに頼りすぎて他の役者がいないのが欠点。女性ジャーナリスト役にもっとビッグネームを持ってくるべきだし、CIA側の人間ももっと魅力的になるはず。あと軍の内部の人間が見えない。チーフが指示を出す先の部下のキャラが弱い。
マットのワンマン映画と言えどもその気配りがないのが残念!