頑張れ!銀座シネパトス

かつて(特に銀座地区の)ロードショーの映画館には、それぞれに特色を発揮していわゆる劇場ごとのカラーというものがあった。有楽座(以下はすべて旧ですよ)だったら文芸&娯楽大作。スカラ座なら女性路線の大作。みゆき座は作家性もあるヨーロッパもふくむ芸術映画。日比谷映画は男性向け娯楽大作。とあげていったらキリがない。

こうしたカラーはシネコンの隆盛とともに消滅していき、こうした1館1スクリーン時代が語られにくくなってきましたね。

そんな中、銀座地区でもっとも劇場カラーを持つ映画館はと言えば、銀座シネパトスですよね。もとの名前は銀座地球座というポルノ映画館ですが、いわゆる三原橋地下ということから最も昭和に匂いのする映画館なのです。」

どんな特徴かといえば、男性客路線まっしぐらなのですね。その男性客がパトスに求めるものはエロとアクション!定期的にヴァンダム、セガールのアクション映画はかかるし、「ボーダー」「ザ・エッグ」などはその格上のデ・ニーロ&パチーノとモーガン・フリーマン&バンデラスもやってくれる。

「ザ・エッグ」はフリーマンとバンデラスがタッグを組んだロマノフ王朝時代の(あの卵ですよ!)秘宝を盗もうとする泥棒で、実はバンデラスは警官で騙しながら、逮捕したと思ったら実はそのこともすべてフリーマンの予想通りの展開という騙し騙されもので、好感度はちゃんとある小品となっている。

そうした洋画の男性向けものを上映する一方「花と蛇」の団鬼六先生の原作モノの日本映画、その路線も健在で、すべてここが請け負っていると言っても過言じゃないでしょう。

しかし、3館もあることから、もっと特徴を出そうということで昨年からパトス名画座宣言をし、邦画の名作群&往年の娯楽作品の特集上映に力を入れるようになった。そして今年の正月に森繁の喜劇を特集していたら、なんと年末に森繁さんが亡くなられ、自動的に追悼上映となってしまったのは観客としてもなんか(亡くなられたのに)嬉しい上映となってしまった。

この邦画旧作路線の名画座路線にも通いたいし、もちろん鬼六映画も(ここなら見に行くのが恥ずかしくないのだ)見たいし、今回2連続で通った男性アクションも見たいし・・・

これからもシネパトス応援団として(勝手に)せっせと通いたいと思いますが一個だけお願いが・・・レイトショーの1本立ての料金がちょっと高いのですよねぇ。2本立て最終回1本が800円だからそれと同じになったらなぁ、とおねだりでした。