龍馬伝と時代劇

毎週、日曜夜8時はNHKの「龍馬伝」を楽しみにしている。長年時代劇と時代小説を親しんでいる父親に言わせると「あんなもん龍馬じゃねぇ!」とのこと(母親談)だが、新しい大河ドラマとして大いに若者にも受けていることは事実ですからねぇ。

でも幕末、龍馬ものは実は時代劇というより、青春群像劇の様相が強く、チャンバラものという見方はしていませんよね。

そして、この幕末ものが面白いのは、本当に多方面からの色んな物語が出来上がるということ。その一番の例が2年前の「篤姫」ですよね。大奥側から描くと新撰組が出てこない幕末物が出来上がるんだ!という驚き。その逆に新撰組を描けば、殿様レベルの話はいらなくなっていく。

だいたいどの家庭でもそうだったかもしれないが、時代劇の入り口は自分の年代ではTVドラマとしての時代劇。「水戸黄門」「銭形平次」「大岡越前」だった。親は一生懸命に大河ドラマを見ていたが、子供には敷居が高く敬遠してしまった。

また時代劇映画はどうであったかというと小学校低学年で「風林火山」を親に連れて行かれ川中島の合戦というものを知ったが弓が目に付き刺さる有名なカットに恐れおののき、そこから戦国時代に興味が出ることもなかった。

60年代後半から時代劇映画が、そう頻繁に製作されることがなくなったため、自分の意思で時代劇を見た最初は(多分)1974年の「沖田総司」だろう。草刈正雄が沖田役のナイーブな青春映画の印象だった。それも当然で監督は「俺たちの荒野」の出目昌信、まさに幕末青春映画!

それでも高校生の同級生に大変な龍馬好きがいたものの、日本史に興味がいくことはなく、もっぱら見ていたアメリカ映画の影響で世界史のほうが好きだった。

なんと高校の修学旅行で桂浜に行き、竜馬の銅像を見ている。担任の先生が四国の出身で、修学旅行の行き先を決めるのはクラス単位で生徒の自由意志という学校であったため、『先生の出身地に行こう!』となったわけ。しかし桂浜で日光浴をしていただけでちっとも龍馬像に振り向かなかった。

しかし、親の血は争えないもので、この年になりいまや時代劇ほど面白いものはないと思えるようになってきてしまった。戦国ものも面白く、幕末もOKと来た。

本日は日曜日、今晩も奥さんと「龍馬伝」を楽しもう!