しんちゃんとコナン

毎年、このGWの時期になると2本のアニメ作品を楽しんでいる。いわずと知れた「クレヨンしんちゃん」と「名探偵コナン」のシリーズである。いわゆる「ガンダム」世代でもないし、999やヤマトもスルー、ましてや「エヴァ」ともなるとついていく気もない。この2本の他は日本のアニメではジブリ作品をみるぐらい。

まあ、最初はご多分にもれず、子供を一緒に連れて行かなければならないところからのスタートであった。しかし『こりゃあ、大人が充分楽しめるアニメだわ!』と確信するのに、そう時間はかからなかった。

「しんちゃん」だったら「雲国斎」から「わくわく温泉」を経て「あっぱれ戦国」での号泣に至り、「コナン」では「天国へのカウントダウン」&「ロマノフ王朝」などがお気に入りとなってしまい、子供が大きくなった今はオヤジ一人でニコニコしながら見ているのです。

さて今年のコナンは昨年「黒ずくめ」を出したことで、どう来るかと思ったら、怪盗キッドを持って来た。コナンから最もインスパイアされるのはアメリカのアクション映画の金字塔「ダイハード」シリーズなのは何本か見ればわかること。

今回は飛行船の中の「ダイハード」と言った趣ですな。なんとコナンがキッドに助けられるという名場面(ここアクションは007だ!)が見どころだ!そしてキッドが真一に化け蘭を誘惑するのが、コナン女子にはたまらんところだろう。しかし、若干キッドがミステリアスな怪盗という部分が消えてしまっているのが残念なところだ。

一方、「しんちゃん」はあまり記憶にない未来もの(「〜戦国」を代表として過去はあるが)である。風間君、ボーちゃんをはじめとする春日部防衛隊の面々がなんと(約)30年後の未来に行き、未来の自分たちに逢うという設定。

なぜ、勝手に30年後といってしまったかというと(映画の名なかでは明確にしていない)、これは完全に「バック・トゥ・ザ・フューチャー」だからで、あれも1985年から55年に戻る、そのタイムギャップがちょうどいいのが30年だからですね。

だから30年後ひろしとみさえの変わり様に場内の子供たち大爆笑であった。そしてタイムパラドックス的にいうと未来でも過去でも自分に逢うのはよくないのだが、しんちゃんはお構いないのところがイイ!未来の自分に幻滅にながら、現在の自分が未来の自分を励まし、変えていこうとする。

ただ、しんちゃんの面白いところは全員『未来を見てしまって、自分はああなるんだ』などと決して思わないこと、だって未来の花嫁を普通5歳で知ったらつまらんでしょ。でもそこがないのがしんちゃんのよいところ。あ〜、面白かったでいいのである。

よって、2本の毎年の対決は、今年は「しんちゃん」の勝ち!

でも「しんちゃん」のエンドクレジットみて「あっ!」と思ってしまった。原作者の臼井義人氏への謝辞が出てきたのである。そうだった臼井さんが亡くなってはじめての映画版公開だったのだよね。それをすっかり忘れてしまっていた自分を責めながらも、今回の面白さは臼井さんのDNAをしっかり映画スタッフが引き継いでいてくれた結果だとわかったので嬉しくなってしまったのであった。