試写室あれこれ

東宝の試写室にて「名探偵コナン」の新作を楽しむ。でも今日は見た映画のことではなく、見た場所、そう試写室について。

映画をかじり始めて誰しも思うこと、一刻も早く作品が見たい、それはすなわち映画会社の試写室にはいれるようになりたい、ということですね。

もっとも入りたかった試写室のひとつが東宝。まだ東宝本社がみゆき座のビルであった頃、本当に憧れました。ごくまれに一般試写が、その本社試写室で行われることもあり、なんと一度だけ応募であたった(高校生ですからね)三浦友和版の「陽のあたる坂道」を見たのですが、映画そのものより、東宝試写室に入れたことが嬉しかった。

もうひとつ貴重な思いでは(たぶん)「死の追跡」という西部劇の試写をフィルムビルの試写室で見てること。FOXの作品と思っていたらワーナーでした。映画少年にしてみたらフィルムビルに入れるなんて、超カンゲキでした。まさに「早川龍雄の華麗なる映画宣伝術」の冒頭のひとコマでしたよ。

そうした業務試写で先に作品をみせていただき、そのファースト・インプレッションを仕事に生かさなければ、単なる『試写族』となってしまうので、それだけはしたくないなぁ。

映画会社もビルを引っ越すことがけっこうあるので、思い出の試写室が今や存在しないのも多数ありますね。ワーナーとソニーピクチャーズが浜松町にあった時代はよくハシゴしてみましたね。ワーナーでイーストウッドの「許されざる者」見終わって敬愛する批評家のK氏と新橋駅まで語りながら帰った想い出は忘れられませんね。

ワーナーがディズニー作品の配給をしてた時代に浜松町で「リトル・マーメイド」を見たり、ワーナーの試写室で見たのに「LAコンフィデンシャル」がその後ヘラルド権利になったり。そのヘラルド試写室も今はなく・・・など試写室の想い出は数限りなく、です。

でもまだまだ敷居が高い映画会社もあり、もっと頑張ろうと思い続けるのでした。